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グルメサイトでは発見不可能! 地元の人が教えてくれない驚愕の焼肉店

年間200食もの牛肉を食べるという、名実ともに肉バカ、小池克臣が日々蓄えてきた肉への愛、知識、体験……そのすべてを注ぎ込む究極の肉コラムがここに。肉好きはもちろん、そうでなくても知っておくべき肉のあれこれが満載!

世の中にはまだまだとんでもない焼肉店が存在する。
そんな事をこの度あらためて思い知らされた。

千葉県某所、周りは山や畑に囲まれた街に存在する「S」はとにかく驚愕の焼肉店だった。

Sの存在を知ったのは、インスタで焼肉店をリサーチしている時に突然見たこともないような盛り合わせが目に飛び込んできたのがきっかけだ。
すぐに食べログもチェックしたが、口コミ件数はわずか2件。(2019年10月現在)

しかし、写真を見る限り、尋常じゃないお店だというのが分かる。
こんな感じで、衝撃の発見時に肉バカは興奮が収まらなかったのだが、誰でも彼でもSに惹かれるかどうかは分からない。

オシャレな店内、スマートな接客、煙の出ないロースター、1枚ずつ美しく盛られたお肉などが好きな人にはあまりオススメできない。

しかし、昭和を感じさせる古びたお店も味わいの1つとして楽しめるのが焼肉というジャンルの良さだ。

ぜひ千葉No.1のカオス焼肉を知ってほしい。

千葉県が誇るカオス焼肉がここに
千葉県が誇るカオス焼肉がここに

まずは予約の段階から普通じゃない。
お店に電話をすると感じのいいおじちゃんが応対してくれる。
日付、時間、人数を伝えると、おじちゃんが電話を切ろうとする。
予約名を聞き忘れられても困るので伝えようとすると、「別にいい」と一言。

この時点で肉バカには衝撃。
普通でない対応に、不安になるどころか期待が高まる。

予約当日は肉好きメンバーの運転で、千葉県某所まで車で向かう。
肉バカ自宅付近も通り過ぎ、窓から見える景色も山や畑が多くなり、90分後に目的地Sに到着。

写真では見ていたが、実際に自分の目で見るSの外観は想像以上のオーラを放っていた。
建物の上部に店名が入った大きな看板があったはずだが、先日の台風による強風で吹っ飛ばされて、めくれあがっている。
周りの建物の明かりがないので、Sの大きな窓から漏れる明かりだけが周囲から浮き上がり、店内で焼肉を食べている姿は、外から丸見え状態。

もはや興奮が収まらない。

店内にもよき昭和の香りが溢れる
店内にもよき昭和の香りが溢れる

メニューは卓上のメニュー表と壁に貼られたオススメから選ぶ。

タンはタン塩、上タン、たんもとの3種類で、肉バカ一行はたんもとをオーダー。
サシが入って艶やかなピンク色のタンは、贅沢な厚切り。
地方の焼肉店で見かけるような、酸化して変色したタンとは全くの別物。
他のお客さんがいない店内で、我々のためだけに切り出された極上品であることに間違いない。
焼き上がったタンの食感は、前歯がサクッと入り、抜群の歯切れ。
奥歯で噛むたびに肉汁が溢れ出す。

贅沢な極上の厚切りタン
贅沢な極上の厚切りタン
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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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