2026.1.2
米倉強太 グッチなども手がける気鋭の映像クリエイターになるまで【実録・メンズノンノモデル 第2回 前編】
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柳俊太郎と坂口健太郎。大きかった先輩モデルの存在
そんな彼に転機をもたらしたのが高校卒業後の進路。俳優をめざして本格的に演技を学ぼうと、都内の美術大学への進学を決めたのだが、そこから運命の道標は思いもしなかった方向へと彼を導いていく。
米倉 母から多摩美にはAO入試があるよと勧められて。合格して、『演劇学科』と『映像学科』のどちらかを選べたのですが、なぜか演劇学科は舞台、映像学科は映画やドラマの演技を学ぶものだと勝手に思い込んで映像学科を選んじゃったんです。そして当然だけど、入ってみたら映像学科は映像を作るほうだった。最初の授業で16ミリフイルムの装填をやらされたとき、『俺は何をやっているんだろう』って(笑)。でも16ミリカメラは今でも作品を撮るときによく使っています。
勘違いから始まった映像制作の道。しかし人生とは不思議なもので、米倉はその奥深い世界にどんどん引き込まれていく。将来へのビジョンも次第に“撮られるほう”から“撮るほう”へと傾いていき、俳優になりたいという気持ちもすっぱりと断ち切れた。
米倉 メンズノンノの撮影現場で栁(俊太郎)さんや坂口(健太郎)さんと一緒になるうちに、だんだん『俺には役者は無理だな』と。というか、『僕がめざす必要はないな』って。諦めというよりは、むしろ『演技の世界というのは、こういう人たちがいく場所なんだ』と妙に合点がいったんです。だからこそ、自分は映像を作るほうでやっていこうと。何の未練もなくそう切り替えられるほど、カッコイイ姿を見せてくれた栁さん、坂口さんには今でも本当に感謝しているんです。

大学で映像作りを学び、撮影を実践しながら、メンズノンノモデルとしてはカメラの前に立ち続ける。その過程で、彼の人生において欠かすことができないターニングポイントが訪れる。
米倉 学生は大体、自主制作作品を作るところから始まるのですが、僕は1日でも早く”仕事”がしたかった。モデルをしていたから、自然と“仕事をする”感覚が養われていたのかもしれません。在学中から、いろんなところに『こんな映像を作りませんか』と売り込みにも行っていました。その流れで、ファッションブランドのJULIUS(ユリウス)代表の古平さんという方から誘われ、パリメンズコレクションのバックステージ映像を撮らせていただいたんです。『撮りたいなら、来週からパリだから一緒に来い』と。その一言で、何かが大きく動き始めました。

PROFILE
1994年4月27日生まれ。栃木県出身。2012年に第27回オーディションを経てメンズノンノモデルになる。2013年に多摩美術大学の映像学科に進学し、2014年ファッションブランドJULIUSのパリコレクションバックステージ映像を制作。その後GUCCIやHUGO BOSSなどのショートフィルムを撮影し、2017年には坂本龍一氏から楽曲提供を受けてパリにて初の映像展を開催。2025年には藤井道人氏率いる映像集団「BABEL LABEL」に加入し、阿部寛主演の映画『キャンドルスティック』にて長編映画監督デビューを果たす。
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