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地下アイドルとの衝撃の〈ぬいぐるみ〉セックス?!──AV男優しみけんのセックスハウツーを頼った理由

「納豆巻き食べたい!」

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朝まで飲んで酔っ払っていたからか、隣を歩く彼女の足取りは見る見る重くなっていき、100mくらい歩くと一人で真っすぐ歩くことができなくなった。僕の腕を掴んだり離したりを繰り返しながら、彼女はよろめくように歩いた。途中、マンションやラブホテルの駐車場があれば、シナモンを両腕で抱きながらうずくまった。僕は朝まで働いた後で疲れていたし、強い眠気が襲ってきていたこともあり、歩くのにあまりに時間がかかる彼女のことを赦す精神的な余裕がなかった。

「ねぇ、帰るよ」

彼女を立ち上がらせようと少し強く腕を引っぱったが、彼女の体は重く、まったく動かなかった。動くことに協力しようともしない、本当にただうずくまっているだけの人間の重さだった。

どうしようかと思って辺りを見回すと、車道を挟んだ斜め向こう側に、ラブホテルがあった。すぐに寝ることができるし、万が一吐かれても自宅より困らないから、「もう、そこのホテルで寝る?」と聞くと、

「行かない! 山下さん家にいく」

と彼女はうずくまったまま言った。

「眠いから早く帰ろうよ。起き上がって」

このままでは埒が明かないと思って、意図的に苛立ちを隠さずに言った。それが伝わったのか、彼女が立ち上がって歩き出したが、そこから20mくらい歩くと今度はマンションの駐輪場のところでシナモンを抱きながらうずくまった。そろそろ彼女をひとりで置いて帰ることも考えはじめていると、

「納豆巻き食べたい!」

と彼女が急に大きな声を出して立ち上がり、職安通り沿いにあったファミリーマートに向かって、シナモンを抱えたまま一目散に走りはじめた。

彼女のことを追いかけてファミマに入ると、「納豆巻きどこ?」と呟きながら店内を彷徨っていた。納豆巻きのある棚の前まで行って、「これだよね?」と聞いてから一つ手に取った。彼女はあまりにも酔っぱらっているから水を飲んだ方がいいと思い、ペットボトルの水も一緒に買うことにした。

「袋はおつけしますか?」
「お願いします」

酔っぱらっている彼女が嘔吐する可能性も考えて、レジ袋をもらうことにした。会計を終えてファミマを出ると、彼女はさっきとは人が変わったみたいに、まるでお酒を飲む前の人みたいな顔をして、平気で真っすぐ歩けるようになっていた。

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新刊紹介

山下素童

1992年生まれ。現在は無職。著書に『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』。

Twitter@sirotodotei

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