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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

保守王国・富山県知事選挙は新人候補の大逆転劇! 選挙取材のプロが「新田陣営で開票待ち」をした理由

東京〜富山より、富山市内のほうが交通費が高い⁉️

 告示日に続いて、投開票日も富山県で迎えられたことが嬉しい。私が富山を再訪できた最大の理由は、非常に安く来られたからだ。
 私はいつも自分の興味で選挙取材先を決めている。そのため、ほとんどの場合、誰も取材費を出してくれない。だから毎回、「旅費をどう抑えるか」が最大の悩みになる。
 毎回じゃない。一生を通じての悩みだ。
 前回は、名古屋での講演の前日に富山を訪れた。このときは講演の主催者から交通費が出たので非常に助かった。
 しかし、今回は純粋に自分の興味で富山にやってきた。当然、経費は自分持ちだ。その場合、原稿料から経費を引いた分が私の利益になるが、選挙取材は時間と経費がかかる。マイナスにならなければラッキー、ぐらいのつもりでいなければやっていられない。金銭的にはマイナスになることもよくあるが、選挙現場で見聞きした体験は、他では得られないものとして心にどんどん貯金されていく。心の金持ちだ。だから選挙取材はやめられない。お金の問題じゃないくらい面白いことが現場に来るとわかるのだ。

 そこで、私はどうすれば安く地方の選挙取材が続けられるかを考えた。たどり着いた答えが「深夜バス」だ。
 今回は10月23日(金)の深夜に東京を出発するバスに乗り、24日(土)の早朝6時30分富山に着いた。料金は片道3700円。
 選挙戦最終日の土曜日と投開票日の日曜日は結果が出るまで取材したい。そうなると、最低2泊する必要がある。
 どうするか……と悩みながら宿を探すと、GoToトラベルキャンペーンで「2泊5000円」のホテルを見つけた。その上、1000円分の地域共通クーポン券ももらえる。
 月曜日は北陸新幹線で帰りたい気もするが、贅沢はできない。一番安く東京に戻れる方法を探したら、また深夜バスだった。
 10月26日(月)の富山発新宿行の深夜バスは、なんと1900円。つまり、今回の富山県知事選取材(2回目)にかかる経費は合計10600円! これはかなり安いのではないか!

 ……と思っていたが、落とし穴があった。

 地方の選挙取材は公共交通機関では行けないような場所に行くこともある。投開票日の夜中には、自分の都合で各事務所や開票所を移動する必要もある。つまり、レンタカーを借りなければならない。
 そこで今回は2日間レンタカーを借りた。すると1万5千円かかった。車を借りなければ、もう一度富山に来られただろう。
 しかし、車がなければ取材ができない。車だとお酒も飲まないので酒代も減る。一石二鳥だ。47歳のオッサンがここまでして通うほど選挙は魅力にあふれている。ぜひ、みなさんも各地の選挙を観てほしい。必ずためになる発見があると思う。

 そして、富山県の有権者には、これから大きな仕事が残っている。自分たちが選んだ知事が、任期中の4年間、しっかり仕事をしてくれるかどうかを注視していくことだ。
 この作業は、今回選挙に行かなかった有権者のみなさんにもお願いしたい。今回は有権者の39.33%、じつに347,195人が大切な「1票」の権利を捨てていた。
 それでもあなたは政治と無関係ではいられない。誰もが政治に物申す権利がある。気づいたときからでもかまわない。積極的に政治に関わってほしい。

 新田はちろう氏の詳しい政策集は、こちらのリンク(新田八朗の富山八策-政策集2020)からダウンロードできる。有権者のみなさんは、ぜひ4年間保存して、忘れないようにしてほしい。
 知事選挙はゴールではなく、任期4年のスタートだ。このマニフェストに書かれたことが4年後に実現されているかどうか。それを検証し、見届けるまでが有権者の仕事である。
 私はこれからも取材費を節約しながら、いろんな選挙を見に行こうと思っている。いつかどこかでお目にかかれたら幸いです。

選挙漫遊の楽しみはご当地グルメ。最後は、本当においしかった富山グルメ三連発で締めましょう!まずは海鮮丼。(撮影/畠山理仁)
選挙漫遊の楽しみはご当地グルメ。最後は、本当においしかった富山グルメ三連発で締めましょう!まずは海鮮丼。(撮影/畠山理仁)
ホタルイカ素干しそばとます寿司。(撮影/畠山理仁)
ホタルイカ素干しそばとます寿司。(撮影/畠山理仁)
とどめは富山湾の深海魚「ゲンゲ」の天ぷら。ごちそうさまでした!(撮影/畠山理仁)
とどめは富山湾の深海魚「ゲンゲ」の天ぷら。ごちそうさまでした!(撮影/畠山理仁)
*なお、この原稿は富山市立図書館にて執筆しました。(撮影/畠山理仁)
*なお、この原稿は富山市立図書館にて執筆しました。(撮影/畠山理仁)
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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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