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数字で一目瞭然! あなたは「お金は出すが全く口は出さない、政治家にとって都合の良いお客さん」ではないですか!?

選挙に行かない世代は損をする

「いやいや、それでも私は選挙になんか行かないぜ」という人には、次の数字を伝えたい。
 
 国政選挙を執行するにあたっては、巨額の税金が投入されている。2017年10月の総選挙の予算は約600億円。2019年7月の参議院議員選挙は571億円。これだけの経費をかけているのに約半数が参加しない。

 まだ行く気にならない人がいるかもしれない。とくに若い人。だからダメ押しで数字を示す。まずは世代別の投票率だ(※3/世代別投票率)。
 
 2017年10月の衆議院議員総選挙では、10歳代(40.49%)、20歳代(33.85%)、30歳代(44.75%)で投票率5割を切っている。40歳代でようやく選挙の楽しさ、大切さがわかってくるのか、半数を超えるようになる(53.52%)。

 しかし、2019年7月の参議院議員選挙では、もっと下がった。10歳代(32.28%)、20歳代(30.96%)、30歳代(38.78%)、40歳代(45.99%)、いずれも5割を切った。

 ここで人口ピラミッドを見てみよう(※4/人口ピラミッド)。投票率の低い10代〜30代は、投票率が一番高い60歳代(2017年衆院選72.04%、2019年参院選63.58%)に比べて、そもそも人口が少ない。つまり、若い世代は選挙で意思表示をしないと、高齢者の民意に負け続ける可能性が高い。
 
 このような状況では、確実に選挙に行ってくれる「お得意様」、つまり、シルバー世代の方を向いて政治家が政策を決定するのは当然だといえる。自分たちの当落に直結するからだ。逆に言えば、選挙に行かない世代、自分たちの「お得意様」になってくれそうにない世代に向けた政策は手薄になる。
 
 読者諸賢はもうお気づきだろう。選挙に行かない人たちは損をする可能性が極めて高い。
 
 もちろん、それでも選挙に行かない自由はある。でも、選挙に行ったほうが絶対に面白いドラマに出会える。有権者が政治家とコミュニケーションを取りながら「育てていく」のが民主主義の醍醐味だからだ。
 
 次回からは、各地の選挙を漫遊してきた私が選挙現場の悲喜こもごもを紹介していく。お茶でも飲みながら気楽に読んで、選挙に親しんでほしい。政治に無関心ではいられても、無関係ではいられないのだから。

各データへのリンクはこちらから!

※1 国民負担率
https://www.mof.go.jp/budget/topics/futanritsu/20190228.html

※2 国政選挙投票率
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/ritu/

※3 世代別投票率
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/index.html

※4 人口ピラミッド(4頁目の図4)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/pdf/gaiyou.pdf

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新刊紹介

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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