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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

数字で一目瞭然! あなたは「お金は出すが全く口は出さない、政治家にとって都合の良いお客さん」ではないですか!?

誰もが平等に持つ「一票」の力

 連載を始めるにあたり、私たちが置かれた状況をありのままに書いてみる。
 
 いま、日本人は収入の40%以上を税金や社会保障費として支払っている。意外と多くの人が意識していないが、これはまぎれもない事実だ(※1/国民負担率)。
 日本の年間予算は一般会計で約100兆円。目的ごとに設定された特別会計の約200兆円とあわせると、年間約300兆円の規模になる。その使い道を政治家が決めていく。
 
 幸いなことに、日本は独裁国家ではない。民主主義国家だから、有権者は自分たちの代表である政治家を選挙で選ぶことができる。18歳以上で日本国籍を有していれば、性別や学歴、収入や職業的地位に関係なく、誰もが同じ力の「一票」を持っている。
 つまり、無収入の人も年収1億円の人も、平社員も社長も同じ土俵。考えてみると、普通選挙はものすごい可能性を秘めている。

 しかし、今の日本では驚くべき事態が進行している。それが選挙で続く低投票率だ。
 
 2017年10月の衆議院議員総選挙の投票率は53.68%だった。2019年7月の参議院議員選挙の投票率は48.80%だった(※2/国政選挙投票率)。いずれも史上二番目の低さで、約半数の人が選挙に行っていない。日々の暮らしにより近いはずの地方選挙では、投票率がもっと低いことも珍しくない。

 収入の4割以上を支払っているにも関わらず、社会を良くするための武器である一票を半数の人が捨てている。もったいない。お金は出すが、全く口は出さない。政治家にとっては、とっても都合の良いお客さんである。
 もちろん、選挙権は権利だから、一票を捨てる自由もある。けれども、選挙は立候補した人の中からしか当選者が出ない。投票に行かないということは、「税金の使い道を他の誰かが選んだ政治家に全面的に任せる」と態度で示していることになる。

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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