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発信点はいつも他人への感謝。そもそもビジネスとは一体何か?~最終回にかえて

私はある時他人と比べて随分「洋服が好き」なことに気がつきました。
私はある時他人と比べて「人に物を教えるのが好き」なことに気がつきました。
私はある時他人と比べて「洋服のセンスがない」ことに気がつきました。

こうした個性をかき集めて私は今の仕事を作りました。
個性に基づいた生き方こそが、自分らしさであり自分が社会に生きる意味だと思ったからです。

そもそも生物や社会は多様性により発展してきた

生物には何故多様性があるのでしょうか。
それは多様性を与えることで進化を望めるからです。
ロボットのように皆同じ感性、皆同じ考え方、皆同じ動き方であれば、それはいずれ衰退を生むでしょう。しかし多様性があるからこそ、様々な生き方があるからこそ凹凸こそあれ新しい価値を作り出し続けられるのです。
我々人類が長い時間で獲得した生存手段が「多様性」のはずです。

であるならば、我々がこうした多様性を生かすことが社会にとって有益に働くのではないでしょうか。
とかく学校教育は個性を否定し、自分らしさを封印させようとします。その洗脳は大人になった私たちをむしばみ、
「上司の言われた通りにしなければ」
「社長の言う通りにしなければ」
「こうあらねばあらない」
「こうせねばならない」
と自分を無理に矯正しようとします。

しかし丸い弁当箱に四角いおにぎりが入らないように、矯正されれば歪み痛み傷つくだけです。おにぎりは無残にも崩れボロボロになりなるでしょう。

私たちは、四角いおにぎりであるならば、四角い弁当箱を探していいはずです。

それこそが我々人類が獲得している多様性であり、正しい生き方であるはずです。辛い思いをして自分を矯正する必要など決してないはずです。そして自分が四角であるか丸であるかはいつも「他人」が教えてくれます。

自分は他人と比べてここが得意なのか
自分は他人と比べてここが苦手なのか

得意も苦手も上手も下手もそれこそが個性です。
まずはそれを見つけ認めるところから始めましょう。

たとえば怠け者でついついだらだらしちゃうでもいいのです。たとえばワガママでつい他人を傷つけてしまうでもいいのです。現状を認めたところに自分の個性が見つかります。
そして個性が見つかったのなら、それが許される生き方を考えればいい。

自分を直す必要はない、自分を矯正する必要はない、ただあるがままに生きることこそが私たち人類の正しい生き方なのです。

そして私たちの知性は「持った個性をどのように社会に活かすか」を考えるためにあるのです。

本連載の主題は「他人への感謝」

本連載の根底にあるのは「他人への感謝」です。

私が私であることを教えてくれるのはいつも他人です。他人がいるからこそ個性が理解でき、他人がいるからこそ人生が見つかり、他人がいるからこそ愛が見えるのではないでしょうか。

SNSでは毎日のように他人を傷つける書き込みが飛び交います。時にそれは他人の命さえ奪ってしまう。他人と直接的な関わりを持たなくてもある程度のことが実現できる現代……買い物も食事も会話も物理的な接触をせずとも成立します。

だからこそついつい我々は「画面の向こうに他人がいること」を忘れてしまうものです。

しかし物理的な接触で、直接的な関係性において、誰かを思い切り傷つけることをしたことがあるでしょうか?
誰かを殴ったり、またそうなるほど誰かに怒りを覚えたことはありますか?
会えばほとんど皆いい人だったじゃありませんか。
そして上述の通り、他人があなたに必要な全てを教えてくれるのですよ。
どうしてこうも他人を軽んじてしまうのか、冷静に考えればいかに無益で愚かなことか理解できるはずです。

私は本連載を通して、他人の存在の重要性、他人への尊敬と感謝、これを理解してもらおうと書き尽くしました。

※参考

その集大成である私の書籍「もっと幸せに働こう」にはそれを目一杯詰め込みました。
既存のビジネス本はどこか「自分さえよければいい」という観念が見え隠れしてしまい、それが読み手に悪影響を与えているのではないかと思っています。
本書は既存のビジネス本にも書かれている既視感のある内容ももちろんありますが、文章の端々に他人への感謝を込めています。多様な生き方や多様な働き方が浸透していく中で、「個性」は社会に許容されつつありますが、反面個性を尊重するが故に自我の肥大が起きており、
「俺が気に入らないからこれはダメ」
「俺が嫌だからこれは嫌」
と他人を認めない風潮も生まれつつあるはずです。

しかし忘れないでほしいのは「他人があなたを形成しているのだ」ということ。仏道には「滅私」という言葉がありますが、今「私」を形成しているのは過去何千年とあり続けた物質やエネルギーの集合体であり、たまたまこの時代この時に「私」という形にとどまっているだけです。つまりそもそも、私の身体は私の物ではなかったはずです。にも関わらず何故「私」に囚われ、他者を軽んじ我を通そうとし、自我を肥大化させてしまうのか。あなたも誰かも皆同じ生々流転とした物質がたまたまとどまっているだけにすぎない、だからこそ皆つながってる感覚を意識して私を滅し、社会のために生きよう……といった具合が仏道による「滅私」であると私は理解しています。仏教徒でない私が「滅私」を語るとはおこがましいですが。

そしてこれは上述の話と合致します。
他人がいるから私がいる、他人がいるから個性が理解でき、人生が進み、愛が生まれ、ビジネスが出来る。
だとするならば他人を軽々しく傷つけるべきではないし、尊重すべきはずです。

世界がもっと優しくなれば、きっと世界はもっと素晴らしいビジネスで溢れ、もっと素晴らしい進化を見るはずです。社会の発展とは多様性であり、その根底には「他人への感謝」によって成立しているはずです。

1年間のご愛読、本当にありがとうございました。
新潟出身の田舎者の私、学歴も職歴も立派なものは何も持たない私ですが、一つ一つの言葉に「他人への感謝」を込め、またそれが伝わるように書き尽くした気でいます。
少しでもそれが伝われば幸いです。

是非今日から明日から、他人への感謝を持って人生を生きてみましょう。
スピリチュアルでも精神論でもなんでもなく、それがあなたの人生を成功へと導いてくれるはずですよ。

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MB

エムビー●誰もが理解できる「オシャレの教科書KnowerMag」を運営。視覚効果や印象論などをベースにしたロジカルなファッション指南が好評を博す。「最速でおしゃれに見せる方法」「ほぼユニクロで男のおしゃれはうまくいく」などメンズファッション書籍の多数のベストセラーを始め、関連書籍は累計120万部を突破。月額500円のメールマガジンは個人配信では日本1位を記録、月額5千円のオンラインサロン「MBラボ」も常に満員御礼状態に。自身のブランド「MB」発のオリジナルアイテム、大手ブランドとのコラボアイテムも爆発的な売上を記録している。
よみタイ連載をまとめた本作の原作ビジネス書「もっと幸せに働こう」は紙版・電子版ともに多くの支持を集めている。

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