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鮨道にゴールはなし! いま最も輝いているお鮨たちに、舌が歓喜の舞を踊り出す〜鮨 龍次郎

本日の鮪
本日の鮪

そして龍次郎さんが新たに力を注いでいるのがまぐろです。

独立を機に仲卸を、日本一との呼び声も高い「やま幸」さんに変えました。

「シャリも鮪に寄せていきたいんですよね。そうすると白身が弱くなるのでタネを変えていこうかと」と。
これはお鮨屋さんなら、おそらく誰もが悩むところ。
それで赤酢と白酢を使い分けるお店もあります。

でも「一本でいきたいんです。一本でいくのがかっこいいじゃないですか」と龍次郎さん。

「赤身の漬け」
「赤身の漬け」

「やま幸さんには『ダメだったらすぐ言ってこいよ』とまで言っていただいています」と、信頼関係もバッチリ。

そこまでなるにはやはり龍次郎さんのお鮨道がビシッと通っているからなのだと思います。

付け場で切りつけた魚を食べてダメだと思ったら即、賄い行き。
お客さまに「あれ、さっきのカツオどこいったの?」なんて言われることもあったそう。

「背トロ」
「背トロ」

「仕入れさせていただいているみなさんの看板を背負っているので責任があります」と。

それって仕込みの段階でわからないものなの? と訊くと、時間が経つと変わることもあるので、あえてお客さまが口にするタイミングで試食しているそうです。

「大トロ」
「大トロ」

でも料理人ってダメな素材でも何とかおいしくしてしまうし、そもそも江戸前のお鮨って昆布締めしたり何かしら手を加えるものだと思うけど。

「確かにひと仕事するのが江戸前です。鯛はお刺身だと身がゴリゴリしている方が好きなので寝かせずに営業前に卸して塩水に浸けて水分を取ってお出しします。逆に握りは塩を振って1日寝かせてしっとりさせて出しますね」

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
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