2020.10.1
鮨道にゴールはなし! いま最も輝いているお鮨たちに、舌が歓喜の舞を踊り出す〜鮨 龍次郎
引き戸を開けると「いらっしゃい!!!」と威勢のいい声で迎えてくれる。
初めて訪れた時は一瞬ひるんだくらい、かなり大きな声です。
そして、「また来ちゃった」と言うと満面の笑顔で「お待ちしていました〜」と答えてくれるのが「鮨 龍次郎」の大将、中村龍次郎さんです。
龍次郎さんのことを知ったのは外苑前にある「海味」の伝説の大将、長野充靖さんの後を任され、ミシュラン2つ星を守り続けている時。
当然、予約が取れずお伺いするチャンスがなかったのですが、昨年、独立されたというので、もしや行けるかもと虎視眈々と狙っていたら、同じ想いのお友達が予約を頑張ってくれ、訪れることができたのです。
レストラン、特にお鮨はカウンターで大将とガチなので、その店が好きかどうかはどうしても大将の人柄に左右されてしまうもの。
ここは初めてなのに楽しかったですね〜!
迎え入れてくれる感が満載だし、活気があるし、スタッフさんに無駄な動きがないし、清潔で温かみがあるし、食器が素敵だし、そしてなんてったって握りがおいしい。
こちらで最初に提供されるのは握り、しかも中トロですよ。
お腹ペコペコ状態で口の中に放り込むと、トゥルンとした舌触りと適度に脂ののった上品な味わいの中トロが、ホロホロと崩れる酢飯と共に喉を通るのです。
こりゃヤバい、脳も舌も胃も歓喜の舞を踊り出すじゃありませんか。
中トロの後はお刺身など、つまみが7皿続きます。
これは反則技な組み合わせでしたね。
鮑に鮑の肝にウニですよ、おいしいに決まっているじゃありませんか。
まずはウニだけをひと口。
あっという間に溶けてしまうコクと残り香の余韻に浸りながら鮑をいただく。
今度は噛むごとに広がるうまみと香りをゆっくりと味わう。
もうひと切れの鮑にはウニものっけてしまえと一緒に頬張る。
わわわ、味のレイヤーが押し寄せる!
たまらんなぁ。