2020.5.14
フランス料理のおばんざいって!? 酸味と香りの妙がもたらす夢に酔いしれる〜ラ・レーヴ
お料理は基本的にアラカルトですが、7,000円でおまかせコースにもしてもらえます。
メニューを見ると食べたいものだらけで迷いますが、できる限りリクエストに応えてくれるのでコースにしてみました。
まずはお目当ての「おばんざい」。
フランスの郷土料理を和食に寄せたり、逆に和食をフランス料理にアレンジしたりと、常時6〜7種類がカウンターに並びます。
「キャロットラペ」はフランボワーズビネガーを使って香り高くしているし、「白いんげん豆のモツ煮」はなんとあの尾崎牛のマルチョウを使っています。
「24ヶ月熟成させたキタアカリのじゃがバター」「イトヨリ鯛のアクアパッツァ風」「白金豚のソーセージのオムレツ」「手羽先餃子」と見た目でわかるものもわからないものも、食べてみると「なんてことだ!」と言わんばかりのおいしさ。
熟成ジャガイモ、初めて食べたけどこれは次元が違う。
焼き芋みたいな甘みがあります。
名古屋で食べた居酒屋料理からヒントを得た手羽先餃子は、手羽の中に詰める餡をトマト煮にしたりローストにしたりとバリエーションも豊富。
たったひと口のおばんざいにこんなに手をかけているなんて!
この後、いったいどんな料理が出てくるの?
加田さんが大切にしているもの。
それは「酸味」と「香り」だそうです。
この2つが上手に融合していると、ああ、フランス料理を食べているなと思うそう。
「僕はソムリエの資格も持っているのですが、ワインの勉強していて特に大事だと教わったのが“酸”だったんです。酸を利き分けられるように舌を鍛えて、フランスに渡った時も酸を意識して味付けをしていました。
これだ!と思ったのが札幌の『レストラン モリエール』に行った時です。酸と香りの融合がまさに自分の追い求めているものと合致して、それから必死に料理を昇華させて今の形を完成させました」
ビネガーは常に5〜6種類を用意し、他にヘーゼルナッツオイルやフランス・ジュラ地方独特の黄色いワイン「ヴァン・ジョーヌ」などで酸味と香りを足していくのだそう。
そのシグネチャー的存在の料理が、この「ぶり大根」。
シェリー、バルサミコ、白ワインなどのビネガー4種類とレモン果汁、さらに香りのあるワインで作ったソースを下に敷き、ハーブを散らす。
日本の家庭料理の筆頭でもあるぶり大根をフランス料理に昇華させ、酸味と香りが立体的になるように仕上げた、まさに加田さんのやりたいことがすべて詰まった逸品なのです。