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黒壁の秘密のお店が日本酒好きの“聖地”と呼ばれる所以を教えます!〜animism bar 鎮守の森〜

「綾子さんに聞けば間違いない!」――美味なレストランも気の利いた手土産もとびきりのお取り寄せも、おいしいものには死ぬほどうるさいギョーカイのみんなが頼りにするのが、フードパブリシスト高橋綾子のグルメ手帖。誰もがうなる美味の数々を惜しげもなく公開します!

日本酒好きにとって“聖地”と呼ばれるお店は数件あります。
その中でも「animism bar 鎮守の森」は別次元のお店なのです。

その理由は店主・竹口敏樹さんの研ぎ澄まされた舌と分析力にあります。
初めてお伺いした時の衝撃は忘れられません。

何が起こったかは後ほどゆっくり。

四谷三丁目の駅からほど近いのに秘境の地。以前はこんな掛け看板すらなかったのです
四谷三丁目の駅からほど近いのに秘境の地。以前はこんな掛け看板すらなかったのです

初めて伺った当時は紹介制で住所も電話も非公開、よって当然看板もなく真っ黒な壁の地下ともなれば、入るのに勇気がいります。
ドアには鍵がかかっていてチャイムを押さないと開きません。
しかも予約の人数に達したら帰る時までそのドアは開くことはないという秘密のお店。

こちらで繰り広げられるのはお料理とそれに合わせた日本酒。
そういうお店はごまんとありますが、揃えてある日本酒の質と数は断然違う。店内には約1000本、倉庫には4000本くらいあるそうです。
しかもメジャーどころはほぼなく、地元の人しか知らないのではないかと思われる銘酒もズラリ。
さらに焼酎で育った鹿児島県人の竹口さん。いつの間にか焼酎も150種類くらいラインナップされ、梅酒もすっかり定着しています。
それらが手に入るのも、すべて竹口さんがいるからなのです。

竹口さんのエプロンはなんとテレビ東京のドラマ24「きのうなに食べた?」でシロさん行きつけの「中村屋スーパー」のもの!
竹口さんのエプロンはなんとテレビ東京のドラマ24「きのうなに食べた?」でシロさん行きつけの「中村屋スーパー」のもの!

竹口さんが日本酒を知ったのは20歳の頃だそうです。

仕事の帰り、赤提灯なるお店に入って「何かオススメのお酒を」と頼み、飲んでみると何か変だなと。
鹿児島では「お酒ください」と言うと焼酎が出てくるそうで、お酒ってこんな味だっけ? と悩んでいたらお店の人に日本酒だよと言われ、その存在を知ることとなったのです。

何しろ初めての味、他にはどんなものがあるのかと興味を持ち、この日お店にあった18種類すべての日本酒を飲み比べたのです。そこで奥深い味わい、原料がお米だけということに感動し、もっと掘り下げてみたくなったそうです。

まずは本を読んで勉強。でも、そこに記載してある日本酒を購入しようとすると実際には手に入る種類が少なく、なかなか味わうことができない。ならば自分で日本酒のお店を作って仕入れてしまえ! ということで、伝説の店「酒徒庵」がオープンしました。
お店はたちまち大繁盛店になったところで、思うところあり、突如閉店。
ゼロからのスタートで、ここ、animism bar鎮守の森を開店させたのです。

冷蔵庫は2℃、0℃、−1℃、−2℃、−3℃、−4℃の6種類に設定されています
冷蔵庫は2℃、0℃、−1℃、−2℃、−3℃、−4℃の6種類に設定されています
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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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