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もはやアートを超える!? ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮った天体写真が美しすぎる!

1日10分、毎日更新されるポッドキャスト「宇宙ばなし」が人気を呼び、注目を集める佐々木亮さん。

この連載では、独立行政法人理化学研究所、NASAの研究員として研究に携わった経験と、天文学分野で博士号を取得した知見を活かし、最新の宇宙トピックを「酒のつまみの話」になるくらい親しみやすく解説します。そして、宇宙と同じくらいお酒も愛する佐々木さんが、記事にあわせておすすめの一杯もピックアップ。

今回はジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた、世にも神秘的な画像を紹介。アートを超えるビジュアルの美しさを楽しんでください。

第18回「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」のはなし

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宇宙界のサグラダ・ファミリアとも呼ばれた一大プロジェクト!

まるで宇宙船かのようなフォルムをしながら、今世界中の宇宙ファンを虜にしている人工衛星があります。それが、NASAが打ち上げた「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」です。
この人工衛星の特徴はなんと言ってもその「目の良さ」です。この目に映し出された美しい宇宙の姿が、世界中の人を魅了しているのです。
今回はジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が生み出した画像をもとに、さまざまな宇宙の側面を覗いていきます。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のイメージ 画像提供/NASA-GSFC, Adriana M. Gutierrez (CI Lab)
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のイメージ 画像提供/NASA-GSFC, Adriana M. Gutierrez (CI Lab)

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、2021年12月にNASAによって打ち上げられました。
1990年代の構想から予算問題などによって完成までに20年以上の歳月が費やされました。宇宙開発には遅延がつきものですが、約20年という歳月はかなり長いです。
NASAで同僚と話していた時は「人工衛星のサグラダ・ファミリア」などと話したこともあるくらいでした。それだけの時間をかけるほど、この望遠鏡への期待値が高かったということでもありますね。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の大きな目標は「宇宙で最初にできた星(ファーストスター)を観測する」というもの。
宇宙の果てを見ようとしていると言ってもいい大きな目標を掲げています。それだけの視力を持つこの衛星が打ち上げられた後、初めて公開されたカラー画像に世界中が驚愕しました。

理由はその鮮明さです。その後、これ以上に美麗な画像が公開されていくのですが、まず最初にこの画像が公開されたときのインパクトは大きかったです。
以下がその画像。様々な色で輝く星たちが無数に見え、138億年前に宇宙が誕生してから10億年足らずで生まれた星も含まれています。
ちなみに太陽は47億歳なので、この歴史に比べたらまだまだ若いですね。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって撮影された無数の銀河の様子 画像提供/NASA
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって撮影された無数の銀河の様子 画像提供/NASA

この画像公開で世界が驚いた点がもう一つあります。それは、バイデン大統領が自ら発表を行ったことです。通常の人工衛星であればNASAや大学のプレスリリース程度の扱いなので、それだけアメリカが国を挙げて取り組んでいるミッションであることが伝わります。

NASAの素晴らしさは技術力だけでなく、アポロの月面着陸を世界に印象付けたことなどからわかるように、その広報力にもあると思っています。この姿勢は世界的にみても卓越しているので、そういう目線で宇宙開発とその発表の仕方を見ると、また違った宇宙の面白さを実感できると思います。

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佐々木亮

ささき・りょう
理学博士。独立行政法人理化学研究所、NASAの研究員として研究に携わり、その経験と知見を生かし、ポッドキャスト「佐々木亮の宇宙ばなし」を毎日配信している。旬の宇宙トピックスを親しみやすく解説する内容で注目を集め、Apple Podcast日本ランキング3位を達成。第3回Japan Podcast Awardsも受賞する。現在はデータサイエンティスト、中央大学講師として活動している。
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