2020.5.16
家飲みでお酒の量、増えていませんか? 身近に潜む「アルコール依存症」のリスク、6つのケース
精神保健福祉士・社会福祉士である斉藤章佳が、日本のアルコール問題をさまざまな視点から考える『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』。(集英社)。
「よみタイ」では、書籍の内容を一部変更して、お酒を飲みすぎてしまう人たちのケースを全6回にわたり紹介しました。
今回はあらためてその内容をダイジェストでご紹介。各リンク先では、斉藤さんによる専門家解説が確認できます。
あれ、もしかして自分も? 家族も? と、思い当たることがあるかもしれません。
(構成・文/「よみタイ」編集部)
ケース1:ワンオペ育児とママ友関係に悩む30代女性
まずは3歳の男の子を持つ30代の専業主婦、Aさんのケースから。
夫も両親も頼れずワンオペ育児に奮闘する中、ママ友関係でもストレスを抱えるようになったAさん。
子供を寝かしつけた後、「自分へのご褒美」として、アルコール度数5%の缶チューハイ(350㎖)1本を飲むようになりました。
そのうち子供のお迎え帰りにファミレスに立ち寄ってアルコールをオーダーするように。
そんな時に出会ったのが、アルコール度数9%のストロング系チューハイでした。
家でアルコール度数を高いものを飲んだ方がコスパがいいと、お迎え帰りにスーパーでストロング缶(ストロング系缶チューハイ)500㎖を3本買い、帰宅直後から飲酒するのが日課に。
Aさんの1日の飲酒量が、ストロング缶500㎖5本になった頃には、アルコール依存症の離脱症状である不眠や集中力の低下、手の小さな震えも出始めていました。
そして、大量の空き缶とAさんの異変に気づいた夫によりクリニックへ連れて行かれることとなりました。
Aさんのその後と精神保健福祉士・斉藤章佳さんによる解説はこちら。
ケース2:定年退職後の居場所は酒しかなかった70代男性
次は仕事一筋で生きてきた70代の男性・Bさんのケース。
Bさんは大手企業で順調に昇進し役員まで勤め上げましたが、65歳で退職してみると、家に居場所はありませんでした。
これといった趣味も友達もなく、いつの間にか駅前の居酒屋で一人テレビを観ながら、ビールや日本酒をあおるばかりの日々に。
ある日の深夜、泥酔したBさんは路上で転倒し寝込んでいたところを通報され、救急車で搬送されます。
そこで医師に、アルコール依存症の疑いがあると告げられたのです。
「高齢者のアルコール問題」についての詳しい解説はこちら。