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家飲みでお酒の量、増えていませんか? 身近に潜む「アルコール依存症」のリスク、6つのケース

ケース3:有名私大を出ても就職先が決まらなかった20代男性

都内の有名私大の理系学部を卒業したEさん。中高一貫の進学校から名門私立大学に現役合格。初めて壁にぶつかったのが就職活動でした。

同級生が次々と有名メーカー等に就職を決める中、Eさんは面接試験の段階で必ず落とされてしまいます。面接中に、大学での研究内容や志望分野以外の話を振られると何を答えてよいのかわからず、黙りこくってしまうのが原因でした。

結局内定の出ないまま卒業し、日雇いのアルバイトで一人暮らしをしていたEさんは、Twitterで日々の鬱憤や愚痴を書き連ねるようになりました。
そこで出会ったのが「ストロングゼロ文学」。お酒に絡めた自虐的なツイートに思わぬ数の「いいね」がつくこともあり、Eさんはのめり込んでいきました。

もともとお酒は飲めなかったEさん。しかし気分がよくなると、明け方近くまでスマホをいじりながら飲み続けてしまい、起きられずにアルバイトを無断欠勤することも増えてきました。

斉藤さんは、Eさんのケースを、「発達障害の中でも、特にアスペルガー症候群に多く見られるコミュニケーション面でのつまずきが、飲酒のきっかけとなっていった事例」と説明します。
斉藤さんによる詳しい解説はこちら

写真:PIXTA
写真:PIXTA

ケース4:地方出身で「コミュ障」の20代女性

地方出身のDさんは自分に自信がなく、人付き合いに強い苦手意識あり、いわゆる「コミュ障」といわれるタイプの女性。

子どもの頃から閉鎖的な田舎の生活が嫌で、とにかく東京に出たいという気持ちが強かったため、専門学校卒業後、上京して一人暮らしを始めました。

歯科衛生士として淡々と働いていましたが、結婚願望があったDさんはひっそりと婚活サイトに登録。そこで出会った医師の男性とデートを重ねるようになります。

しかし、その男性にお金を貸した途端、音信不通に。結婚詐欺にあってしまったのです。

上京に反対していた親は頼れず、相談できる親しい友達もいないDさんはふさぎ込んで、夜も眠れない状態に。お酒は全く飲めませでしたが、酔っ払えば眠れるのではないかと考え、アルコール度数の低い甘い缶チューハイ1本から飲み始めるようになりました。

手にする酒のアルコール度数は上がっていき、とうとうストロング系チューハイへ。その頃にはもう毎日飲まずにはいられなくなっていました。
職場にもお酒の匂いをさせて出勤したり、遅刻・欠勤したりするようになったDさんは、自ら退職を申し出たのです。

発達障害の傾向や、親との関係、人間関係のストレスなど、いくつもの要因が絡んで、日常生活がままならないほどのアルコール依存に陥ってしまったDさん。このケースについての専門家の解説はこちら

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