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5分で身につく大人の教養記事5本! 知らないと恥ずかしい政治、宗教、歴史、ジェンダー、ファッションの話

●ジェンダー

誰にでも、思い出す度にムカムカする人生の出来事というのが、ひとつやふたつあると思います。

私にとって、それは中学2年のときの三者面談なのですが、理数系の科目の評価が著しく悪い私の成績表を目の前にして、当時40代半ばの担任の先生が、
「まあ、理数系ができる女の子はかわいげがないですからね」と言ったんです。

あまりの数学の成績の悪さに青筋を立てている母をなだめ、その母の横で小さくなっている私を励まそうとしたのかもしれません。
でも、だからといって、壊滅的な数学の成績の話が、なぜ「女の子としてのかわいげ」の話になるのか。

このことについて私がムカムカしているのは、教育現場でこのような発言をしたおじさん担任に対してというより、その発言に大きな疑問も問題意識も感じずにヘラヘラしていた当時の自分自身に対してなんです。

もしあの瞬間にタイムスリップできたら
「私の数学の成績が悪いのは、私が単に苦手科目の勉強をサボっていたからで、女とか男とか関係ないし、女だからかわいげがなきゃいけないっていうのもおかしい」
と、当時の自分にも、担任にもはっきり言いたい!

「差別はいけない」「格差をなくそう」と言うのは簡単です。でも、差別意識というのは、たいていの場合、悪意なく刷り込まれていて、自分の言動や感情が「差別や偏見からきているものだ」と、その時は気づかないことも多いもの。

もちろん、女性だから女性に対して差別意識がないということはないですし、育った環境や年代によっても認識はさまざまです。

ビジネスインサイダージャパン編集長の浜田敬子さんと社会学者の上野千鶴子さん
ビジネスインサイダージャパン編集長の浜田敬子さんと社会学者の上野千鶴子さん

昨年6月に掲載された浜田敬子さんと上野千鶴子さんの対談記事を読むと、もしかしたら、自分のなかに思わぬ差別意識や固定観念があったことに気がつくかもしれません。

★5分でジェンダー意識について学べる記事はこちら
組織のパワーゲームが好きな男、仕事の達成感が好きな女

*ジェンダーについてもっと考えたい人には、こちらの本もおすすめです。

浜田敬子著『働く女子と罪悪感 「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる』(集英社)
浜田敬子著『働く女子と罪悪感 「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる』(集英社)
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