2023.3.30
猫沢家の常識は、世界の非常識⁉ 驚きの家庭内ルールが明かされる「猫沢家の一族」注目エピソード3選
2022年2月14日、コロナウイルスの終息が見えないなか、2匹の猫と共に渡仏し、16年ぶり、2度目となる、パリでの生活をスタートしました。
遠く離れたからこそ見える日本、故郷の福島、そしていわゆる「普通」と一線を画していた家族の面々……。
「猫沢家の一族」はフランスと日本を結んで描くエッセイ連載です。
これまで猫沢家の数々の仰天エピソードが明かされてきた本連載。
今回は、その中から特に注目を集めた猫沢家独特の習慣やルールを3つご紹介します。
毎回エッセイ内容に合わせて描かれる北村人さんのイラストもお楽しみください!
(構成・文/よみタイ編集部)
お金への執着がスゴイ母、金銭感覚がない父
拝啓
ずいぶんご無沙汰いたしました。平成13年5月12日PM7:48 暗闇の中、母の日の花が届きました。こんなにみごとな百万本のバラ(6本)私の大好きなバラ、そのバラをそばで見ていた父、曰く あ〜これは一本五百円位だな どう見積もっても五千円がいいとこか……。
母、もうちょい安いんじゃんと久々夫婦の会話が弾んだ晩でした。でもいいわ、花を買えるお金が有ったんだもの。いいわよ!うん絶対いいわ!*そして、手紙の左上隅っこには「母の状態です。ビンボーに潰されそう→」と、とても悩んでいるようには見えないふざけたイラストまで描き添えてある。
こちらは「第2回 金とビンボーのラブレター、フロム・過去」で登場した母から娘への手紙。
清々しいほどお金への執着が全面に押し出されています。
「おぼっちゃま育ちゆえ、金銭感覚自体がない」父に嫁いだことにより、お金への執着が強くなっていった母。
父が実家の家業である呉服店を祖母に任せて経営していた不動産会社はバブルが弾けて潰れ、後には大きな負債が残った。その負債を自分ひとりでどうにかしようとして、迷走しているうちに彼女の金銭感覚はすっかり道を見失ってしまった。
1日に2〜3人しか来ない客のために250万円の借金をして自動ドアをつけたり、公共料金の支払いすら危うい経済状況の時に娘からの仕送り金でゴルフクラブセットを買ったり、猫沢家の金銭感覚はどこまでも迷走を続けていくのです……。