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猫沢家の常識は、世界の非常識⁉ 驚きの家庭内ルールが明かされる「猫沢家の一族」注目エピソード3選

パリでも入浴にこだわる娘、腐ったみかん風呂を作った祖父

「第10回 おじいちゃんの腐ったみかん風呂〜ニッポン文化OMOTENASHI大使の不運な過去」では、猫沢家の並々ならぬ「風呂」へのこだわりが明らかに。

著者が小学校高学年頃、入浴時に感じた異変。
思わず母に声をかけると、予想を超える返答が。

「あー……ごめんねえ。今夜は腐ったみかん風呂だから。カビが生えたみかん、おじいちゃんが捨てるのもったいないから、お風呂に入れてみたんだってー」

「箱の中で腐ってたみかんがもったいない」という理由で風呂に入れた祖父。
その風呂に疑問は感じつつも、入れ直すこともせず、入浴を続けた猫沢家の面々。

この腐ったみかん風呂も祖父が気に入ったのか、母のセリフと同じく3回リフレインし、なぜか私もぶうぶう言いながらも3回入った。3回繰り返されたのは、先に述べた猫沢家の間違った懐の大きさにも由来していただろうが、この件に関して裏で祖父を助長していたのは母だったのではと、私は疑惑の目を向ける。
「あのお風呂、意外とお肌すべすべになるよね」
という、母の聞き捨てならないセリフが今も耳を離れない(白目)。

イラスト/北村人
イラスト/北村人

月日は流れ、パリで暮らし始めた著者。

圧倒的に風呂といえばシャワー、というお国柄のフランス・パリで、バスタブ付き物件が限られているのはもちろんのこと、実際にそれが使えるかどうか? というところも難易度が高いのだ。日本が圧倒的にガス給湯器なのに対して、フランスは電気給湯器が主流。つまり、1回に使えるお湯の量はおのずと決まってくるため、たくさんのお湯を使う入浴は大変贅沢なアトラクションなのだ。

そんなパリでも風呂付きの物件を探し求め、自宅で「猫沢温泉」を楽しむ日々。
風呂に対して謎のこだわりを発揮する猫沢家のDNAは、しっかりと受け継がれているようです。

***

今後はどんな驚きの家庭内ルールが明かされるでしょうか。
エッセイ連載「猫沢家の一族」は毎月第3木曜日に更新中です。

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