2021.11.22
『ご機嫌剛爺』出版記念対談! 逢坂剛×酒井順子 仕事も趣味も“ご機嫌”を保つ人生の流儀
終活なんてまっぴらごめん
――最後に公私ともにお二人の展望についてお聞かせください。例えば、 新しくこういう趣味をやってみたいとか、こういうものを書きたいとか。
酒井 私、今日は本当に痩せなきゃと思いました(笑)
逢坂 全然そんな必要ないじゃない。太ったなんて全く思わないです。昔のあなたからすると、ほんの少しふくよかになったかな、というぐらいで。普通の人から見たらまだきゃしゃだと思う。私は、お世辞は言わないタイプだから。
酒井 ありがとうございます。コロナの影響もあって、本当に運動不足なので、体力つけたいです。
逢坂 私も言われてみれば運動不足だから、おなかが出てしまった。
神保町の地下鉄の階段数えると九十九段ぐらいあるの。これはけっこう、いい運動になります。ケータイで「今日は五千歩超えました、おめでとうございます」って言われると、おお、歩いたなと思うし。古本屋歩いてると、すぐそれぐらいになるのね。歩くというのはいい。とにかく足が弱って、外出られなくなるのだけは、避けなくちゃいけないね。
酒井 私は自宅で仕事をしているので、何も用がないときは、本当に出歩かないんです。ステイホーム時代でさらに体がなまりましたね。
逢坂 ただぶらぶらと、散歩する程度じゃ駄目だから、とにかく卓球は絶対続けるべきだ、と思う。
酒井 コロナが落ち着いたら復帰します。
逢坂 私は、今さら趣味を広げるよりも、3000〜4000本たまった映画のDVDのソフトを、死ぬまでに見ることを課題にして、今随分見ていますよ。つまらないやつは早回しにしたりするけど、10本に1本ぐらいは「おぉ!」というような、いい映画が入ってるのね。今安売りで、売ってるでしょう、一枚190円ぐらいで買えるやつがね。昔の名作で、見られなかったやつもけっこうあるしね。この間は『奇跡の人』を、ぜひ孫たちに見せようと思って、買っといたの。あるいは『鉄道員』とかね。
酒井 本の中でも「終活? まっぴらごめん」「断捨離するより愛着品を楽しみ尽くす」と書かれているのが痛快でした。
逢坂 そう、まっぴらごめん。でも、本当は終活しなくちゃいけない年だし、しなくちゃいけないものがたくさんあるんだよね。まず、本をどうしようかと思ってね。寄贈先も決まって、そこに少しずつ預けているんだけれども、空いた後にどんどんまた本を買っちゃうものだから、結局減らないわけね。