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『ご機嫌剛爺』出版記念対談! 逢坂剛×酒井順子 仕事も趣味も“ご機嫌”を保つ人生の流儀

人間、一生勉強!

逢坂 あなたのところも、本が多いでしょう。

酒井 多いですが、でも、逢坂さんほどじゃないと思います。

逢坂 エッセイ本だって、集めようと思えばすごい量になるでしょう。私は古本のエッセイが好きなの。森田たまのエッセイとか。その時代の生活状況とか、文化度とか、どんなものだったのか知るためには、やっぱりエッセイは欠かせないからね。
やっぱりエッセイストは、私の中では永井荷風が天下一品だ、と思う。あの人の書いた、東京の古い町を歩く『日和下駄』とか、やっぱり名文だよね。いつも言うけど、谷崎、荷風、石川淳の三人は日本の三大名文家だと思う。
あと、国語学者の本も、エッセイに近いものもあるんだけど、あれはやっぱり日本語の勉強にはなるな。古ければ古いほどね。終戦直後ぐらいの、橋本進吉とか、時枝誠記とか、国語の文法書を書いた人ね。そういう人の本を読むと、やっぱり勉強になるんだ。教えられることが多いんだよね。やっぱり人間、一生勉強だな。
まあ、勉強だと思わないんだけど、要するに、知らないことを知りたいな、と思うことを勉強と言うならば、本当に人生は一生勉強ですよ。今さら本買って、勉強するのはいかにもナンセンスだな、という気も時々ふっとするんだけどね。

酒井 大人になればなるほど、勉強が楽しいです。

逢坂 そう、やめられないんですよ、これがね。趣味を新しく始める、という気持ちはないんですよ、今さら。もう、そんな時間はないからね。自分のためた趣味を再確認する意味でDVDを見たりとか、それくらいしかない。でも、新しいことに挑戦するという気持ちは、やっぱり必要だよね。順子ちゃんなんか、まだ新しいこと始めるのに、十分間に合う歳だからね。

酒井 そうおっしゃっていただけると、やる気が湧いてきます。新しいこと、始めたいです!

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小説家、逢坂剛、78歳。直木賞をはじめ数々の受賞歴を持ち、小説家として第一線で活躍し続ける一方、フラメンコギター、スペイン語、古書収集、野球、将棋、西部劇などの映画に精通し、多芸・多趣味でも知られます。ユーモラスで温厚な人柄から、敬意と親しみを込めて「剛爺(ごうじい)」と呼ばれる小説家の<上機嫌生活>指南書。
人生100年時代。仕事も趣味も楽しみ尽くして、日々を機嫌よく過ごすためのヒント満載です!

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逢坂剛

おうさか・ごう
1943年東京生まれ。80年「暗殺者グラナダに死す」で第19回オール讀物推理小説新人賞を受賞。86年に刊行した『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。2014年、第17回日本ミステリー文学大賞、15年『平蔵狩り』で第49回吉川英治文学賞を受賞。20年、「百舌」シリーズ完結時に第61回毎日芸術賞を受賞。

酒井順子

さかい・じゅんこ
1966年東京生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを発表。立教大学社会学部観光学科卒業後、広告会社勤務を経て執筆専業となる。
2004年『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。
著書に『下に見る人』『ユーミンの罪』『地震と独身』『裏が、幸せ。』『子の無い人生』『百年の女「婦人公論」が見た大正、昭和、平成』『駄目な世代』『次の人、どうぞ!』『男尊女子』『家族終了』『ガラスの50代』『処女の道程』『鉄道無常 内田百閒と宮脇俊三を読む』など多数。

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