2021.11.22
『ご機嫌剛爺』出版記念対談! 逢坂剛×酒井順子 仕事も趣味も“ご機嫌”を保つ人生の流儀
上機嫌の保ち方は、苦手な人とは付き合わないこと
――今回の本のタイトルにも入っている「機嫌」の保ち方についてもおうかがいしたいのですが。
酒井 ぜひうかがいたいです。私は割と低テンションで安定しているんですけど、逢坂さんはいつも上機嫌でいらっしゃる。
逢坂 そう言われると、うれしいような、恥ずかしいような気もするけど……。
酒井 どうやって上機嫌を保たれているんですか。たまには誰かとけんかをすることなど、ないのでしょうか?
逢坂 女房と、口げんかすることはあるけど、女房の場合は、ちょっとかっとなって5分ぐらいしゃべると、まるでけんかなんかしなかったように、普通にもどるわけ。その間、私は黙っていて、一人でしゃべらせているわけね。そうすると、すぐ仲直り。男同士のけんかは、したことがないね。
酒井 仕事でのトラブルとか、嫌な人に会ったとか、そういう時は?
逢坂 嫌な人には、最初から会わない。そもそも、それほど嫌いな人って、いないからね。本当に、これ苦手だなと思うタイプがいることはいるんだけどね。
酒井 どんなタイプが苦手なんでしょうか?
逢坂 押しが強くて、がりがり言ってくる人は、苦手なんだよね。今回の本にも書いたんだけど、「あんなに、若い頃に面倒見てやったのに、その言いぐさは何だ」というような、昔のことを恩着せがましく言ったりとか、そういうタイプは苦手なんだよな。そういうのがちらちら見える人とは、なるべく付き合わないようにしてるね。
苦手な人とは、付き合わないのが正解ですよ。でも、そこまで苦手な人というのは、いないからね。大体適当に合わせていれば、のべつ会う必要はないわけだから。のべつ会う人は、要するに昔からのお友達ですよ。作家になってからは、自分の担当者とかね。でも、今までこの人は苦手だな、と思った担当者は、ほとんどいない。ちょっと、仕事ぶりが合わないな、という人はいたかもしれないけど、幸いにしてあまり長くは担当してなくてね。
要するに、嫌な人とはお付き合いしなければいい。それはできるんじゃないのかな。
あなたの場合、言いたいことがあったら、がんがん言う方?
酒井 言わないです。
逢坂 だろうね。結局、自分の中で抑えるわけでしょう、仮に言いたいなと思っても。
酒井 そうですね。あとは友人、知人にぶつぶつ言ったり。
逢坂 でも、ガス抜きは、必要かもしれないよ。