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逢坂剛×酒井順子“博報堂出身作家”対談 「自分をかわいがると、どんな仕事でも楽しみが見つかる」

開成の同期生と野球も

――運動関連のご趣味についてはいかがですか。

酒井 私は昔から卓球好きなんです。地元の卓球クラブみたいなのがあって、そこで個人でコーチに習っていたんですけど、コロナで休んでいたら、そのコーチが卓球クラブを辞めちゃったんですよ。なので、ちょっと中断中で、それで運動不足で太ったわけですけど(笑)

逢坂 あれはすごい運動量だよね。

酒井 意外に動くんですよね。逢坂さんといえば野球ですが、日頃からやっていらっしゃるんですか。

逢坂 やっています。今ちょっと中断しているけど、コロナが収まったらまた始めようかと思ってる。ただ、開成の同期生だから、みんなロートルで大変なんだ。推理作家協会のチームでも、来期はまたやると思う。コロナでいろんなことが中断されちゃってるから、ソフトボールだけでもやりたいな。

酒井 そういえば私、一回会社員のときに会社の行事でソフトボールをやらされたことがありました。

逢坂 そうなの?

酒井 社員旅行かもしれないです。

逢坂 誰か好きな人がいたのかな。

酒井 ソフトボール大会だったかな? でも、初めて守備についたら、ワンバウンドした打球が顔面に……。

逢坂 そんなのがあったのか。草野球のチームはその頃もあったと思うんだけど……。私の時代は、部署の数と同じくらい、何十チームもあった。それでリーグ戦をやってたの。いつの間にか、なくなっちゃったけどね。結局、サッカーなんかに負けて、野球人口が減っちゃったからかもしれないね。土日にわざわざ集まるのはいやだとか、仕事以外で会社の人と関わりたくない、とかいう若者も増えていたみたいだし。

酒井 ところが今、博報堂って少し前まで運動会をやっていたんですって。

逢坂 本当に?

酒井 デジタル世代の若者には、一周回って、会社員同士のその手の交流がかえって新鮮に受け止められていたそうです。リアルの触れ合いということでしょうか。自由参加ですけど、案外、若手の参加者が多くて楽しかったらしいですよ。

逢坂 なるほどね。それはいいよね。昔はPRでボーリング大会があったなあ。ボーリング全盛期だったから。私は興味がなくもなかったんだけど、ギターを弾くために爪を伸ばしているから、ボーリングをやったら親指の爪がバリンと割れちゃった。そうすると、1か月ぐらいギター弾けなくなる。それが嫌で、ボーリングの大会だけはエスケープしてたような記憶があります。

*後編に続く。
後編は11月21日(月)公開予定です。

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小説家、逢坂剛、78歳。直木賞をはじめ数々の受賞歴を持ち、小説家として第一線で活躍し続ける一方、フラメンコギター、スペイン語、古書収集、野球、将棋、西部劇などの映画に精通し、多芸・多趣味でも知られます。ユーモラスで温厚な人柄から、敬意と親しみを込めて「剛爺(ごうじい)」と呼ばれる小説家の<上機嫌生活>指南書。
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逢坂剛

おうさか・ごう
1943年東京生まれ。80年「暗殺者グラナダに死す」で第19回オール讀物推理小説新人賞を受賞。86年に刊行した『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。2014年、第17回日本ミステリー文学大賞、15年『平蔵狩り』で第49回吉川英治文学賞を受賞。20年、「百舌」シリーズ完結時に第61回毎日芸術賞を受賞。

酒井順子

さかい・じゅんこ
1966年東京生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを発表。大学卒業後、広告会社勤務を経て執筆専業となる。
2004年『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。
著書に『裏が、幸せ。』『子の無い人生』『百年の女「婦人公論」が見た大正、昭和、平成』『駄目な世代』『男尊女子』『家族終了』『ガラスの50代』『女人京都』『日本エッセイ小史』など多数。

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