2025.4.6
「仕事のモチベーションが低い私ってダメ人間ですか……?」キャリアの‟あるある悩み”に佐久間宣行さんが明朗回答!【『ごきげんになる技術』試し読み】
Q:仕事で部下(後輩)を注意したら距離を取られるようになりました。 上手な伝え方ってありますか?
A:注意する前に、日頃から褒めておくことが実は大切。
僕は、褒める・評価する以前に、後輩や部下を注意することは極力しないようにしています。
なぜなら自分を認めてくれているか? どこを評価してくれているか?を理解できていると、指摘されたほうも素直に聞く耳を持てると思うから。
要は注意する前に信頼関係ができていることが大切なんです。だからこそ注意する側も日頃から信頼される仕事をすること。そして人の欠点ばかりを見ないこと。
僕の経験上、アラ探ししかしない上司はスタッフを活かすのがうまくない。ある程度の年次になると一緒に働く人が本気を出してくれる存在であるかどうかはとても重要です。仕事だから基準さえ満たせば文句は言えないけれど、プラスアルファの仕事をしてもらえる存在になってくれるかどうかは、成果に大きく響くはず。
注意をする場合、ケアレスミスならチェックシートを確認するくらいの感覚でその都度伝え、怒るまでもないことは〝笑い〟に変えます。「またそのクセ出たぞ」などとつっこむくらいのイメージで。
もう少し深刻なケースの場合は、説教ではなく「今後の大きなトラブルを避けるための情報」という説明の仕方をします。さらに根本的な考え方から注意する必要がある時は、個別に文書で。
これは僕自身への戒めでもあって、スクショや転送される可能性があるからこそ、推敲もでき、伝え方にも歯止めがかかるからです。
Q:若手の部下とモチベーションにギャップがある気がします。やる気を 引き出すにはどうしたら?
A:世代間の断絶は確実に存在する。埋まらないと考えてイライラせず 行動を。
やる気を引き出すには、精神論を熱く説いても伝わらない。強要は逆効果です。これはもう、誰よりも自分が準備して結果で見せるしかなくて、「大変な仕事の中にある楽しさ・面白さはこれだよ」とそれとなく伝えましょう。
たとえば僕のような仕事では、自らもアイデア出しに加わって芸人さんと切磋琢磨してコンテンツを作ると、喜びや達成感が共有できる。こういう経験を小さなものでもいいからしてもらう。
特に20代は準備や雑用など目に見えない仕事が多いから、それが将来のやりがいある仕事につながっていることを体感してもらうことも大切だと思っています。
また、彼らが2、3年後にたどり着きたい場所を共に考え、その場所と今の仕事の共通点を見つけることも有効でしょう。
進行の過程ではそれぞれのストロングポイントを見つけて伸ばしつつ、マズい方向に行きそうなら個別で注意し、結果を出したら全員の前で褒めることも忘れずに。
その一方で、上司自身も替えがきかない、軽んじられない人間になるためにも、常に進化する必要があると僕は思います。
Q:管理職です。働き方改革で部下に仕事が振れないぶん、自分が働く羽目に。結局自分の世代は損してる気がします。
A:虚しくなった時こそ、あなた自身の〝好き〟を見つめてください。
僕らが20〜30代の頃は組織や上司のパワハラめいた命令や発言も多かったし、お祭りみたいなノリについていかないといけないような風潮がありました。体質が古いテレビ業界は特にそういう行いが日常茶飯事でもありました。
僕自身は、内心「パワハラしながら番組を作ってるダサい上司や先輩よりも、ハラスメントとかせずにめちゃくちゃ面白い番組を作るぞ!」と仕事に励む一方で、「(上司や先輩の)船に乗り続けても明るい未来はないな」と判断したら、下船していったタイプ。さぞかし鼻につく部下だったと思います。
当時を振り返ると、若い世代からは「ネットの幕開け期だし、どの業界もパワー全開で面白そう」と羨ましがられることも。伝説の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」のフリートークを毎回リアタイできたし、ファミコン(ファミリーコンピュータ)から始まるゲームの進化を全部追えている。そのすべてが自分を形成する上で不可欠な宝物です。結局、どの世代であっても良い面もあれば、苦しいこともあるものです。
虚しくなった時には、辛いことばかりでなく、これまでのいい出来事を振り返ったり、あなた自身の好きなものを思い返してください。きっと今の生き方じゃなかったら、出合えなかったものばかりだと思います。
あとは虚しくない気持ちを、一時的ではなく恒久的に保ちたいですよね。それには仕事でも趣味でもいいので、好きなこと・逆に耐えられないことを知りましょう。
人生を楽しむには準備が必要で、そのためには常に「自分を見つめ直す」作業が必要だと思うのです。
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この記事の前編はこちら
「序章 ごきげんの正体」
「2章 ネガティブを飼い慣らそう」
著者インタビュー▼
ポジティブ思考にもネガティブ感情にも振り回されない、新時代の「ごきげん」とは? 【佐久間宣行『ごきげんになる技術』刊行記念インタビュー】


テレビプロデューサーとして地上波番組や配信コンテンツを数多くヒットさせ、さらにラジオパーソナリティにバラエティ番組MCと、メディアのジャンルを超えて活躍する著者。
日本のエンタメ界を牽引する著者自身も実は、元来のネガティブ思考、自分の弱さに悩み、不安を抱えながら生きてきた。だからこそ磨きあげられた「自分自身をごきげんにする技術」を、本書では余すことなく公開!
✔️世間や友人をつい批判的に見て、結果自己嫌悪してしまいます。
✔️SNSを見ると心が病みます。上手な付き合い方は?
✔️やりたいことはあるのに行動力のない自分にがっかりします。
✔️上司は仕事ができない人間です。考え方や仕事の進め方も合わなくてストレスが溜まります。
……etc 雑誌『SPUR』での連載や講演会などで寄せられた悩みにもこれまでの経験と著者ならではの視点からズバリ“明朗回答”。 自分の軸を整えながら生き抜くための珠玉のメッセージは必読。
