2022.9.30
発達障害女子の恋愛は「やらかし」だらけ!? 【漫画家・沖田✕華 & 姫野桂 対談】
本書の刊行を記念し、9月8日に本屋B&Bにて、著者の姫野桂さん、ゲストに漫画家の沖田✕華さんを迎えてトークイベントを開催しました。
発達障害の日常を描いたエッセイ『毎日やらかしてます』シリーズの著書をもつ沖田さんと、日常生活におけるライフハックや、過去のダメ恋エピソードなどを赤裸々にお話しいただきました。イベントの様子をダイジェスト版でお届けします!
(構成・撮影/よみタイ編集部)
とにかく算数ができない!
姫野 姫野桂と申します。フリーライターをやっておりまして、今まで本を4冊出して、今回の『ダメ恋やめられる!?』が5冊目です。
おもに発達障害当事者のルポを書いたり、私自身の体験のエッセイを書いたりしています。で、私自身も発達障害当事者で、ADHD(注意欠如多動性障害)と、ASD(自閉スペクトラム症)傾向と、算数LD(学習障害)がある者です。
沖田 沖田×華と申します。漫画家をやっておりまして、発達障害のエッセイを、もうかれこれ10年以上書いています。私はアスペルガー、今は自閉スペクトラム症っていうんですけども、それとADHDの不注意優勢型です。LDは計算が苦手なのと、ディスレクシアっていう、読み書きが苦手だったりとか、漫画家なのに字がちょっと書けなかったりとかっていうのがあります。
最近はストラテラ(発達障害の処方薬)を飲むようになってから、症状が軽くなってきたのであらためて調べてもらったら、グレーゾーンに移行してるって言われてて。Twitterのプロフィールには一応、『グレーゾーン移行』というふうに書いてます。
姫野 ストラテラがめちゃくちゃ効くタイプだったんですね。
沖田 そうですね。最初の1カ月は全然、効かなかったんですけど。もうとにかく最初の頃は、全ての副作用が全部、出たって感じでしたね。
姫野 私は、最初そんなに効かなかったんですけど、最近、本当にADHDの症状がきつくなってきて、不注意と、締め切りが曖昧な仕事を先延ばしにして全然、進まなくなって。
それでストラテラの量を、今まで40ミリだったのをプラス25ミリ追加して処方してもらって、それを飲んだら劇的に変わったんです。ずっと放置してた洗い物とかもできるようになりました。
沖田さんは発達障害の診断を受けたのはいつですか?
沖田 私は小学校4年生のときに、LDが最初で、それからADHDっていう診断を付けられて、「何それ?」からスタートです。そもそも学習障害って何がどうだったら学習障害なの?っていう感じで、確かにすごい成績悪かったから、じゃあ、勉強ができないことが学習障害なのかなっていう感じでしたかね。
姫野 私も学習障害、算数があるので、もう2桁の足し算、引き算ができないんです。
沖田 通信簿、どんな感じでした? 小学校の。
姫野 算数以外が5とか4で。
沖田 すごい、めっちゃいい。
姫野 算数だけ2とか3です。
沖田 1はないんですか?
姫野 1はなかったです。
沖田 うそ! 私、ずっと1だったんです。1がイヤすぎて、親に怒られるから、4にしてました。
姫野 改ざんしてたんですか?
沖田 よく偽造してて。総合テストあるじゃないですか、テスト用紙に表と裏があって、合わせて200点満点とかなかったですか、昔。
姫野 なんかあった気がする。50点、50点で100点だった気がするんですけど。
沖田 そうだったんだ。ちょっとジェネレーションギャップが。私、200点満点中、算数が20点とかだったんですよ。だから左に1って書き足してました。1って書いて、親に「はい」って出してました。掛け算、九九とか覚えられました?
姫野 掛け算のほうが覚えやすくて。私は分数がダメでした。暗算は2桁になるともうダメです。
沖田 私もそれ、ダメなんですよ。あとパーセントがわからない。
スーパーの割引とか、わからなくないですか? 30パーセント引きと5割引きがあったら、どっちが安いのかわからなくなりません? 「半額」って書いてあればわかるんですけど。
姫野 私もパーセントはわからない……。
私の場合、診断時期は30歳のときで、結構、遅いんですよね。それまで、なんで自分はこんな生きづらいんだろうってわからないままずっと暮らしてきて、あるとき、不眠になって4日間眠れなくなって、心療内科に行って眠れる薬を出してもらって。
そのついでに、私発達障害かも、と思っていたので、そこで検査してわかったって感じでした。
沖田 診断もらったときってどういう感じがしましたか。
姫野 「やっぱり」っていう感じで、ほっとしました。やっぱりここまで算数できなかったのって障害だったんだって思って。
沖田 学生のときって本当にボロカス言われるじゃないですか。私、高校生のとき、数学であまりにも間違いが多すぎて、テストの点数が小数点になったときがあったんですよ。
10.5点とか20.8点みたいな感じになってて、本当は全部ペケで零点なんだけども、数学って過程と答えが別々になってて、過程が合ってたら丸でいいよっていう数学の先生がいたんです。おばあちゃん先生で、「もうちょっと頑張らないとテストの点数が分数になってしまいますよ」とかって言われて、分数ってすごくないですか(笑)。
そのとき、その先生めっちゃ優しいなと思って頑張ったんですけど、全然成績は伸びなかったですね。