2023.7.1
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【3位】「今から自己破産するから、手伝って 第12回 義母の認知症の急速化と実母の寂しい最期 / 「実母と義母」(村井理子)
村井理子さんのエッセイ連載「実母と義母」。
今は亡き実家の母、認知症が進行し要介護となった姑。
母親であること、妻であること、そして女性として生きていくということ……。
翻訳家でエッセイストの村井さんが、実母と義母、ふたりの女性の人生を綴ります。
「第12回 義母の認知症の急速化と実母の寂しい最期」(6月19日)は、認知症が進行する義母の介護の現実と、実母の最期について。
母の人相はどんどん変わっていった。あの明るく、美しかった人が、一切の輝きを失って、ただただ亡霊のようになった。黄疸が進んで両目に光がなく、動作も緩慢になっていた。実家で再会しても、母は何も言わずに微笑みながら私を見るだけだった。悲しそうな目をして、じっと私を見つめる。長い間、こじれてしまった私との関係に苦しんでいただろう母は、末期癌になり、認知症になってはじめて私を取り戻したと思っただろうか。亡霊のようになった母にただただ見つめられ、私は戦慄した。
認知症と末期の膵臓癌がほぼ同時に発覚した実母は、寂しい最期を迎えることになり……。
「読むのが辛いほどの現実。でも励まされる」「言葉がない」「村井さんの強さみたいなものが感じられてスカッとする読み物」など、様々な反響が寄せられています。