2021.12.5
麻薬生産地がコーヒー豆の産地へ⁉︎ 軽井沢のコーヒー好きが注目するタイ北部産「ナンコーヒー」の魅力
ナンコーヒーは、ポテンシャルが高い豆
そして徐々に、ナンコーヒーに魅せられた人の輪が広がりつつあります。
軽井沢追分にある喫茶店「和 珈琲」。オーナーの古庄浩明さんが淹れるコーヒーを求めて、全国からファンが集まる名店です(コロナ対策で現在喫茶店は休業中。豆のネット販売のみ)。
コーヒーを熟知する古庄さんは、宮下さんと星野さんに請われ、ナンコーヒーの農場視察にも同行しました。
「豆の栽培・品質を視察するのが私の役目でした。豆のクオリティは最高品質とまではいえませんでしたが、現地を視察して、ものすごくポテンシャルを感じました。3代目のオーナーは大学を卒業した青年で、非常にやる気があり、勉強熱心。今後、良品質の豆を生産するようになることが予測されたので、星野さんにも輸入を勧めました」(古庄さん)
「和 珈琲」で提供するコーヒーのメインはエルサルバドルやイルガチョフなどのスペシャリティーコーヒーですが、ナンコーヒーの生豆をロースターで自家焙煎したものも、タイ産コーヒーとして販売しています。
「ナンコーヒーの魅力は簡単に言うと、SDGsに貢献できる、今後への期待が楽しみな豆だということです」
北軽井沢にあるピザレストラン「カフェジュンリーノ」も、店内で生豆から焙煎したナンコーヒーを提供している店の一つです。
オーナーの野崎順理さんは、ナンコーヒーの魅力を「焙煎する人の腕が試されるところ」と語ります。
「他の豆に比べて焙煎が繊細で難しい。ちょっと深煎りし過ぎると、すぐに墨のようになってしまうんです。でも、火を止める際の『ここ!』っていうタイミングが合った時の旨味の際立ちは、他の豆にはないものがあります」(野崎さん)
来店客からの評判も上々だといいます。
「北軽井沢という場所柄、別荘ライフを楽しんでいて、コーヒーにこだわりがあるようなお客様も多いのですが、『イタリアで飲んだ深みのあるコーヒーと同じ味だ』と喜んでくださった方もいました。少し酸味があるので、アメリカンのような薄めのコーヒーが好きな方は苦手かもしれませんが、ハマる人はハマる味だと思います。ミルクにもよく合います」