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麻薬生産地がコーヒー豆の産地へ⁉︎ 軽井沢のコーヒー好きが注目するタイ北部産「ナンコーヒー」の魅力

山岳少数民族の農園運営を応援したい

ナンコーヒーを輸入する「ナンコーヒー・ジャパン」は、佐久市の自動車部品製造会社「有限会社イー・ファクトリ」代表の星野巌さんと、軽井沢町の中古車販売会社「株式会社イーゼル」でディレクターを務める宮下幸一さんが立ち上げた事業です。
現在は星野さんが代表を務め、宮下さんが営業やプロデュースに携わっています。

「近所に偶然、ナン県出身のタイ人の女性が住んでいたんです。彼女から、ナン県の方々が、厳しい山岳地帯を開拓し、コーヒー苗を植えて開墾しながら、懸命に農園を広めてきた歴史を聞きました。ある日、彼女自ら、わざわざ現地へ足を運んで手に入れたラピアン農園のコーヒー豆を持ってきてくれたんです。その農園オーナーである少数民族の方々が、長い間、差別や迫害を受けてきたという話も聞き、応援したいと思うようになりました」(星野さん)

ラピアン農園では年間最大20トンのコーヒー豆を生産している(画像提供/ナンコーヒー・ジャパン)
ラピアン農園では年間最大20トンのコーヒー豆を生産している(画像提供/ナンコーヒー・ジャパン)

2019年10月、星野さんと宮下さんは、ラピアン農園を視察に訪れました。

「私は、以前東京でカフェバーを営んでいたこともあり、コーヒーが大好きなのですが、正直、現地でナンコーヒーを飲んだ時はあまり美味しいと思えませんでした。でも、日本に帰って色々試してみたら、焙煎や淹れ方によって、非常に美味しく飲めることがわかったんです。そして何よりも、農場で働いている方の勤勉さやナン県の方々の真摯な姿勢に感銘を受け、日本でこの豆を広めてみたいと考えるようになりました」(宮下さん)

ナンコーヒーの生豆(画像提供/ナンコーヒー・ジャパン)
ナンコーヒーの生豆(画像提供/ナンコーヒー・ジャパン)

こうして2020年8月より始まった、ナンコーヒーの輸入。昨年は約1トンを仕入れました。
星野さんと宮下さんは、より多くの人にこの豆の魅力を伝えるため、焙煎や淹れ方の研究を重ねています。

「本業の金属加工の経験を生かし、自作の焙煎機も作りました。以前は、それほどコーヒーが好きではなかったのですが、ナンコーヒーを通して、コーヒーの奥深さを感じています。淹れ方はサイフォンかドリップか、水の種類は軟水か硬水か、淹れる人は誰かなど、試すたびに味が変わるので、探究心がくすぐられます」(星野さん)

「普通は淹れ方や好みに応じて豆の種類を変えますが、ナンコーヒーの場合、全く同じ豆を使って淹れ方を変えるだけで、何種類もの味わいを楽しむことができます。例えば、お湯の温度によっても味が変わり、70度くらいで淹れると酸味が立ち、90度くらいで淹れるとエスプレッソのような深いコクが出ます。しかも、冷めても喉越しがいい。同じ豆でこれだけ多彩な味を楽しめるコーヒーは、珍しいでしょう。この面白さをたくさんの人に伝えていきたいです」(宮下さん)

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