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衆院選前必読! 笑って泣けてタメになる。選挙をめぐる人生ドキュメント『選挙漫遊記』 注目回ベスト5

畠山理仁さんの新刊『コロナ時代の選挙漫遊記』が10月5日に発売されました! 20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイです。

本書は、畠山さんのWeb連載『アラフォーから楽しむ選挙漫遊記』(2019年11月25日から隔週連載中)の中から、コロナ禍で行われた全国の選挙戦エピソードをセレクトしてまとめた1冊。

今回は、この発売を記念して、連載過去46回の中から、特に大きな反響を呼んだ注目回TOP5をピックアップ。書籍未収録回も含め、個性溢れる候補者たちが繰り広げた選挙ドラマを、読者のみなさんから寄せられたコメントとともに振り返ります。

(構成・文/よみタイ編集部)

【5位】その数9回! “情熱の薔薇”のついた自転車で選挙に出続ける「ホームレス路上演奏家」

まず5位に入ったのは、連載第3回。ホームレスになっても選挙に出続ける武田完兵さんを追った壮絶ストーリーです。
単行本には未収録ですが、選挙戦だけでなく、候補者の人生ドラマにも焦点を当てた本連載の真骨頂ともいえる人気回。2019年 12月23日公開以降、長く読まれ続けています。

2017年、小学校の体育館で開いた個人演説会で演説する武田完兵さん。(撮影/畠山理仁)
2017年、小学校の体育館で開いた個人演説会で演説する武田完兵さん。(撮影/畠山理仁)

武田さんは、1975年に「武田寛/音楽家」として台東区議会議員選挙に立候補したのを皮切りに、区議選5回、都議選2回など、次々と選挙に挑戦。生活保護費を切り詰めてまで、供託金を貯めていました。しかし結果は全て落選。
2018年10月には、それまで暮らしていた自宅が行政代執行で取り壊され、とうとう住処を失います。
しかしそれでも、2019年3月には旧自宅前の路上を「選挙事務所」として届け出て、自身9回目の選挙となる、台東区長選挙に立候補しました。

 はたからみれば勝ち目がないとも思われる戦いに、なぜ武田は出続けるのか。
「11回でも12回でも13回でも最下位落選を続ける。そういう人が世の中にはいたんだ、という記録が作れるんじゃないか。そして、最後も落選する。武田完兵は落選して死んで行ったと後世に残してほしい」
 武田が語る近未来。しかも、現実になってしまいそうな予想図に私は絶句した。その姿をみた武田は前言を翻した。
「やっぱり最後だけ脚色して、当選するという小説にして下さい。面白いと思いますよ」

その後、武田さんは10回目の選挙となる、2021年7月4日投開票の東京都議会議員選挙(台東区選挙区)に立候補。そしてこれが武田さんにとって最後の選挙となりました。
2021年8月27日、簡易宿泊所で倒れているところを宿の管理人に発見され、警察により死亡が確認されたのです。

武田さんを偲ぶ連載ファンからは「(武田さんが亡くなって)あらためて読んで泣けた」「武田さんに選挙の本当の意味を教えてもらった気がする」といった追悼の声が寄せられました。

なお、武田さんを追ったエピソードは連載20回「消息を絶ったホームレス区長候補者を探す選挙のない暑い夏」(2020年8月17日配信)でも登場します。
どんなに苦労を重ねても政治への情熱を失うことのなかった生き様をぜひご覧ください。

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