2022.7.30
中島京子、東えりか、宮下奈都……『本を読んだら散歩に行こう』が10倍面白く読める豪華執筆陣の書評まとめ
認知症が進行する義母の介護、双子の息子たちの高校受験、積み重なりゆく仕事、長引くコロナ禍――。
ハプニング続きの日々のなかで、愛犬のラブラドール、ハリーを横に開いた本は……?
読書家としても知られる村井さんの読書案内を兼ねた濃厚エピソード満載のエッセイ集です。
「よみタイ」では、本書の刊行を記念して、連続書評特集を企画。
現在(7月30日)までに、小説家の中島京子さん、フリーランスライターの畠山理仁さん、『本屋という仕事』の著者である三砂慶明さん、小説家の宮下奈都さん、書評家の東えりかさんという、5名の豪華執筆陣から書評が寄せられています。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいと考え、5名の書評を、本文から一部抜粋しながら、まとめてご紹介します。
本を読みたくなるだけでなく、エッセイとして心に響く書評ばかりです。
各リンクから書評本文がお読みいただけます。
(構成・文/よみタイ編集部)
「老い」についてセンサーが反応 中島京子さん(小説家)
『本を読んだら散歩に行こう』では、認知症の義母や、孤独死した兄のことなど、村井さんの家族についての話題が数多く登場します。
書評特集の第1弾には、『平成大家族』『小さいおうち』など、家族を題材とした作品も数多く執筆されている中島京子さんから書評が寄せられました。
村井さんの日常が切り取られるエッセイと、折々に読んだ本の紹介で綴られる本書の中で、ところどころでわたしのセンサーがぴきぴき反応するのが、「老い」についてだった。
と、中島さん。
書評の中では、中島さんの著書『長いお別れ』でも描かれた、認知症になった父親の晩年のエピソードについても触れられています。
●がんばれないという事態が立ち現れたっていい——中島京子さんが読む『本を読んだら散歩に行こう』
本選びのプロが読む読書案内本 三砂慶明さん(読書室主宰/梅田 蔦屋書店 人文コンシェルジュ)
第2弾は、梅田 蔦屋書店の人文コンシェルジュで、『本屋という仕事』の著者である三砂慶明さんです。
6月19には、梅田 蔦屋書店で村井さんと三砂さんのトークイベントが開催され、本や書店との付き合い方、翻訳とエッセイの書き方など、予定時間を超過するほどの盛り上がりをみせました。
三砂さんは自他共に認める、村井さんの長年のファン。
本書は、翻訳家であり、エッセイストの村井理子さんがはじめて書いた読書エッセイ集です。古今東西の書物に精通する村井さんが一体どんな本を紹介しているのか。それだけでも読み応えがありますが、この本の真骨頂は、本に引き出された村井さんの人生そのものです。
と、今回の書評も冒頭から熱量の高さを感じる書き出しです。
本のコンシェルジュが、大ファンである村井さんの読書案内本をどのように読んだのか。
本と著者へのリスペクトが溢れています。