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商社マンとの格差恋愛、大学時代の同級生との不思議な関係…私たちの『恋と友情のあいだで』〜ファンをピュアキュンさせた名場面

遊ばれてしまった自分が蘇った

続いては、現在地方都市で2人の子育てに奮闘中のハルナさん(40代)。

「友達に、『タダで読める面白い漫画教えて』と聞いて、教えてもらったのがこの作品で……あ、コミックスはちゃんと買いますので!」

勧められてなんとなく読み始めたところ、「強烈に印象に残るシーンに出会ってしまった」といいます。
その場面がこちら。

4話より(単行本『恋と友情のあいだでvol.1』より。©️ふるかわしおり/集英社)
4話より(単行本『恋と友情のあいだでvol.1』より。©️ふるかわしおり/集英社)

「里奈の結婚を知った廉が、彼女でもない女性に甘い言葉をささやいて、関係をもっている場面です。このシーンと廉のモノローグがもうずっと頭から離れなくなってしまいました」

自分に向けられる好意を利用して、廉が女性と一夜を共にするシーン。一般的には胸キュンとは程遠いシーンのように思いますが、なぜこの場面がそんなに印象的だったのでしょうか……?

「廉に抱かれている女性が、丸ごとこのまんま、かつての自分だからです! 本当にタイムスリップして昔の自分を俯瞰ふかんで見ているようでいたたまれない気持ちになり、思わず読んでいたスマホの画面をいったん閉じました(笑)」

20代の社会人になりたてだった頃、まさに廉のような商社勤務の男性にベタ惚れだったというハルナさん。

「当時は大学時代の友達や会社の同期から合コンやパーティー系のイベントに誘われる機会も多くて、そんな集まりのひとつで、某大手商社に入社したての、ある男性に出会いました。顔がめちゃくちゃ好みだったというのもありますが、話の端々から感じる頭の良さとか好奇心旺盛なところも魅力的で。海外勤務の計画を具体的に話したりするところも、商社マンらしくてカッコいいなぁと思いました」

連絡先を交換して、その後度々二人で会うようになったといいます。

「最初は本当に飲むだけだったんですけど、当時私が携わっていた産学連携の仕事のこととかにもすごく興味を持って聞いてくれて、いつも時間を忘れるくらい話し込んでいました。何回か二人で会ったタイミングで彼の家に誘われて、まあそういう関係になるんですけど、これで特別な存在になれたと、当時は素直に浮かれていました……」

「付き合おう」などという具体的な言葉はなかったものの、1ヶ月に1、2回の頻度で会う関係が2年近く続いたそうです。

「彼に呼び出されたら私が尻尾を振って会いに行くような関係でした。今思えば、ただの遊び相手なんですけど、いいホテルのバーやレストランでご馳走してくれたり、私の考え方とか服とかを褒めてくれたりするのが嬉しくて……とにかく好きだったんです」

そんな関係はあっけなく終わりの時が……。

「ある日いつものように呼び出されて飲んでいたら、彼女と結婚することになったと満面の笑みで言われました。どんな式場がいいかとか、ウェディングプランの相談まで受けちゃって。私も自分が正式な彼女ではないという自覚はあったし、プライドもあったのか、『へ〜おめでとう』みたいなことを返した記憶があります。
あの時、怒ったり泣き叫んだりしていたら何か変わっていたのかな、と思うこともありましたけど、そういうことができる女性は、そもそも都合よく遊ばれたりはしないですよね……」

「“本命”ではないことはわかっていたけれど、それなりに好かれているという意識はあったからこそ、自分からは離れられなかった。廉のベッドシーンで『ベッドの上で囁く言葉は嘘じゃない……』というモノローグを読んだ時に、当時の彼の心境がリアルにわかったような気がしました」

夢中になった商社マンとの恋から約20年経ち、今、ハルナさんが思うことは……。

「当時は辛かったけど、夢中になれる恋愛ができたのは良い人生経験だったな、と今は思います。そんな今現在は、地元に戻って、子育てに精一杯の毎日で、自分の内面とか服装とかに気を配るような機会なんて全っ然なくて! 子どもはかわいいんですけどね。 
『恋と友情のあいだで』を読むと、傷ついて泣いたことも含めて、自分にたっぷり時間を使えていた頃を思い出して懐かしい気持ちになります。
汐留の某ホテルのバーで、その商社マンの彼や、彼の親友の某大手広告代理店勤務の男性なんかと、カクテルグラスを傾けていた時代が私にもあったんですよねぇ。遊ばれていたとはいえ(笑)、やっぱりすごくキラキラしていて、楽しい時間でしたね」

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