よみタイ

「32時間自宅階段でエベレストの高さを登る」「55時間無睡眠ラン」など、コロナ禍にも負けないプロアドベンチャーランナーの壮絶トレーニング

挑戦過程をオンラインメンバーと楽しむ

――他にコロナ禍で始めた新しい挑戦でやって良かったことはありますか。

僕を応援してくださる「アドベンチャークラブ」のメンバーとオンラインで交流する「メンバー会」を始めたことは、ものすごいプラスになっています。
一人だと自分を追い込むのが気持ち的にも環境的にも難しいことがあるのですが、オンラインメンバーとの定期的に交流できるようになって「みんながいてるから頑張ろう!」と思えるようになりました。
実際、「六甲山脈55時間無睡眠ランチャレンジ」とか「河川敷でタイヤ引き20時間」とかをやったときにも、メンバー会の方が現地に応援に駆けつけてくれたり。トレーニング自体が、応援してくれる方と一緒にイベント化できるようになったことで、より有意義なチャレンジができるようになったと思います。

オンラインメンバーは、40〜50代の男性市民ランナーが多いです。自分ではできないけど僕に夢を託すとか、僕の活動に賛同して応援してくれているとか。
コロナ前は、そういう方々と交流する機会もなかなかなかったんですね。
今は、メンバーとのオンライン交流を通じて、リアルに応援してもらっている熱を感じることができるので、かなり前向きになれます。

――オンライン会ではメンバーの方たちと具体的にどんな会話を?

月に1度くらい、僕の挑戦の経過報告だったり、トレーニングの改善について話をしたりしています。挑戦過程に関われることを喜んでくれる方は、楽しんでくれているようで、良かったです。

無睡眠トレーニングの応援に駆けつけたメンバー。(写真提供/北田雄夫)
無睡眠トレーニングの応援に駆けつけたメンバー。(写真提供/北田雄夫)

メンバーもいい感じにおかしくなってきていて(笑)、「自分はできないけど北田さんならこのくらいやっておいた方がいいんじゃないか」と、突拍子も無いアイデアが出てくることもあるんですよ。例えば、「55時間無睡眠やったけど、3日間無睡眠もいけんじゃない?」とか「タイヤ引きは、タイヤ1本じゃあまいんじゃない?」とか。あとは「何かしらギネスに挑戦しよう」という声もありましたね。
もちろん冗談交じりですけど、そういう会話をする中で、僕もいい意味で常識の枠が取れる部分があるし、その中からリアルに挑戦するものも出てくると一緒に盛り上がれますし。このオンライン交流会は、コロナ禍で始めて、本当に良かったことですね。

*後編に続く。後編は2月22日公開予定です!

過酷すぎる挑戦と挫折、そして成長の記録!

「賞金なし!」「すべて自己責任!」「舞台は、砂漠、荒野、山岳、氷雪、ジャングル!」……そんな世界でもっとも過酷なレース「アドベンチャーマラソン」。日本唯一のプロアドベンチャーランナーとして『情熱大陸』などでも特集され、ここに人生のすべてをかける北田雄夫さんの挑戦と挫折と成長の日々をつづるノンフィクション。

2014~19年までで参加したレースの合計は、なんと、総走行距離5332㎞! 総時間1420時間! 総費用1280万円! 気温差75℃!
貧⾎持ちで小心者、暑さ寒さに弱く⻑距離⾛も苦⼿――そう自認する北田さんは、なぜ「日本人初の7大陸レース走破」を達成することができたのか。そして、なぜその後も更なる極限に挑み続けるのか……!?

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新刊紹介

北田雄夫

きただ・たかお
1984年生まれ、大阪府堺市出身。中学から陸上を始め、近畿大学3年時に4×400メートルリレーで日本選手権3位。
就職後は一度、競技から離れるも「自分の可能性に挑戦したい!」と再び競技を始める。
2014年、30歳からアドベンチャーマラソンに参戦。
17年、日本人として初めて「世界7大陸アドベンチャーマラソン走破」を達成。
現在は「世界4大極地の最高峰レース走破」にチャレンジ中。

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