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「この夫を反面教師に」夫として、父として、離婚経験者として…男性読者が語る『妻が口をきいてくれません』

傷つけてからのリカバリーは効かない

ある日突然妻が二人の子供を連れて出て行き、5年に渡る調停の末、昨年離婚が成立した経験をもつコウキさん(仮名・30代)は、この作品をどのように読んだのでしょうか。

「タイトルを見たときは『俺のことか!?』と思ったけど、期待したほど登場人物の言動には共感できませんでした。この夫も妻も被害者意識が強すぎる印象を受けたからかもしれません。
でも、ある日突然妻に家を出て行かれた自分と、急に妻から無視をされるようになって戸惑うこの夫を重ね合わせて、色々と考えることはありました」

「この夫は、仲直りしたいと思っていますが、根本的に妻は何に不満で、何に傷ついていたのか、理解できていませんよね。
自分も、何で元妻が出て行ったのか、いまだにわからないんですよ。出て行く直前まで普通に家事もやって一緒にご飯を食べていたし、家族で出かけたりもしていたし。浮気や暴力もなし。
調停で妻から提出された離婚を求める理由には、性格の不一致とか、生活環境のこととか、色々羅列されていて、その中には思い当たることも、全く身に覚えがないこともありました。非の打ち所がない夫だったとまでは言いませんが、彼女の主張のどれもが、自分には離婚するほどのことには思えなくて。二人も子供がいるのに。
実際、どちらにも明らかな有責事由はなかったので、離婚調停は長引きました。途中で彼女の主張も変わったりしていたし、本当の離婚原因はわからないんです。結局、人の気持ちを完全に理解することはできないから……」

ここでふと、「そうそう!」と何かを思い出した様子で、声に少し力が入るコウキさん。

単行本『妻が口をきいてくれません』より。
単行本『妻が口をきいてくれません』より。

「漫画の回想シーンで、バッグを買おうとした奥さんにダンナさんが『おんなじの持ってるよね?』と口出しして怒らせる場面がありましたよね。あれ、自分も同じようなことを言ったことがあったらしくて、元妻は恨んでいたようです。それを離婚調停の文書で初めて知ったんですよ! 『買い物のとき好きなものを買えないことがあった』というようなことが書いてありました。正直それを読んだときは『今さら?』『そんなくだらないことで?』とも思いましたが……。でも、そういうことの積み重ねなんでしょうね」

他にも、自身の経験と重なる場面はあったのでしょうか。

単行本『妻が口をきいてくれません』より。
単行本『妻が口をきいてくれません』より。

「ダンナさんが奥さんの機嫌を直そうとケーキやお花を買ってきたけど……という場面がありましたよね。ああいうのは分かりますし、実際にやったこともあります。やっぱり夫婦関係がギクシャクしていたら仲良くしたいなと思うし、ご機嫌取りのような言動をしてしまう。でも、一時的にご機嫌取りをしても意味がないんですよね。一度傷つけてしまってからのリカバリーは効かない。積もりに積もったものが、何かがきっかけで爆発してしまってからはもう後の祭りで、そこから自分の弁解をしても無駄。
この作品の夫婦の場合、妻が口をきかなくなった段階で、もう取り返しがつかないところまできていたということだと思います」

夫婦関係が“後の祭り”にならないために、どうすればよかったのでしょうか。

「それは自分が教えてほしい(笑)。ただ、自分の経験と、この漫画を読んで思うのは、 “事実”の捉え方は人によって違うということ。同じ屋根の下で同じことを体験していても、夫婦それぞれ“事実”は異なることがある。だから自分の事実が全てだと思わないという、ゆとりのようなものは大事なのかなと思います。何か一つを悪い方に捉えてしまうと、他のことまで全部悪く見えてきてしまうこともありますから」

「この作品は、ふつうの夫婦が、同じ空間にいるのに認識している景色にズレが出てきて、少しずつふつうの幸せから遠ざかっていく過程がすごくリアルでした。“ふつうに幸せな家庭”の維持には、努力と奇跡が必要だと思います、ほんとに」

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