2021.1.7
コミカライズ記念特別“ブス”対談! 若林杏樹さん×田村麻美さん「これがデブスの幸せ戦略」
自分の強みと弱みを考えられるきっかけに
田村 予想外の反応としては「ブスじゃないじゃん」「ブスじゃないのに何でこんな本を書いているんだ」という否定もありました。そう言われてありがたいですし、うれしいことではあるんですけど、やっぱりブスっていうことで悩んでいたことは事実なんで。
若林 ブスは主観ですからね。
田村 主観なんです。それに、実際に幼少期に言われたという事実があって書いているので。
若林 それもすごく分かりやすい描写で書かれていますよね。写真まで出して、「たしかに鼻低い」みたいな(笑)
田村 そう! 写真並べて「明らかに私の頭がでかい」とか。
そこはすごく説明しても、やっぱり文章メインだと伝わりきらないところがあると思うし、多分表紙だけで嫌悪感抱いて読んでいない方とか、いっぱいいらっしゃると思うので。今回の漫画では、本では届かなかった部分まで分かってもらえたらいいなと思います。
――そんな『ブスのマーケティング戦略』をコミカライズ連載中ですが、この作品を特に届けたい人や、参考にしてほしいことはありますか?
若林 自分のウイークポイントがある人ですね。顔面に自信がある美人でも、しゃべり方が下手くそとか、仕事ができないとか、彼ができないとか、何でもいいんですけど、何か欠点があって、結構自画像がゆがんでいるとか、あるじゃないですか。
自分のウイークポイントが分かっている人と分かっていない人がいると思うんですけど、まずははっきりさせて、自分の強みと弱みを考えられるきっかけになるといいなと思います。
若林 あと、はたから見ると容姿端麗な人って、何もかも完璧と思われて、それで悩んでいるという人もいたりしますよね。男性でも女性でも、周囲にデキると思われているからこそ「実はこれができないけど言えない」と悩んでいる人とかは、そういった“うみ出し”に使ってほしいなと思いますね。
田村 書き手としても、そう言っていただけるのが一番うれしいです。結構、男性の読者も多いんですよ。何でこの表紙で刺さったのか……。
若林 「マーケティング戦略」だからかな。
田村 マーケティングを勉強しようと思って、この本を手に取る男性って、どうなのと思っちゃったところもあるんですけど(笑)
ただ、生きていく中で、一回自分を冷静に見直して、ゴール設定し直して、そのゴールに向かってどういうふうに動いていくかというのは、誰にでも当てはまることだと思うんです。この本ではゴールを結婚にして自分の容姿に自身のない私がどう生きてきたかということをマーケティング戦略として書きましたが、容姿に限らず、本当にコンプレックスがある人には男性女性関わらず当てはまることが多いと思うので、読んでいただけたら。
――本では、「自分を客観的に見る」ということが大きいポイントになっていますよね。
田村 そうですね。ただ、客観力がない方の方が、多分、人生楽しいと思うんですよ。ある意味、鈍感なので、モヤモヤとか悩みとかが比較的少ない。そういう方は、別に自分を見つめ直す必要はないと思います。自分が幸せなら。
若林 周りがどうあれ。
田村 周りがどうあれ自分の生きたいように。ただ、見渡すと周囲に誰もいなかったということに、老後気づいたりするかもしれませんが。そうしたら、その老後に読んでいただいて(笑)
若林 老後でも間に合う。
田村 間に合います。いつでも間に合う。