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般若心経は「ハロプロ」だ! 僧侶がお経のスゴさをアイドルにたとえて解説
12月16日、稲田ズイキさんの『世界が仏教であふれだす』が発売されました! 「よみタイ」でも大好評だったコラム「罰当たりなほどにユルくてポップな仏教トーク」から選び抜いたエピソードを加筆編集して単行本化。 平成生まれの僧侶・稲田さんが、仏教のあれこれについて独自の視点で楽しくわかりやすく解説する新感覚の仏教本です。 その刊行を記念して、書籍の中から厳選した“(仏教なのに)神回”を掲載。 全3回の特別企画です。 最終回となる今回のテーマは、誰もが一度はその名を聞いたことのあるお経『般若心経』。 そのスゴさをアイドルにたとえて説明します! ※書籍の一部を抜粋・再編集しています。 (構成/よみタイ編集部)

般若心経は「ハロプロ」だ! 僧侶がお経のスゴさをアイドルにたとえて解説

『般若心経』そのスゴさはアイドルにたとえて初めてわかる

 『般若心経』
 誰もが一度はその名を聞いたことがあるのではないだろうか。おそらく日本で一番知られたお経である。
 ここまで有名な理由は、その「コンパクトさ」にある。般若心経とは、その経文に仏教のすべてが詰まっているとも言える「仏のエッセンス」のようなお経。
 スゴイのが、仏教の中でも一番の鍵となる「くう」の思想を含めた仏教的世界観が、わずか262文字に収まっていることだ! なんとも言い表すことのできない奇跡が、般若心経には起こっているのだ! 控えめに言ってもやばい! マジ卍である! フンフン!
 と、僧侶の僕が鼻息荒めにスゴさを語ったとしても、普通の人はもちろん、興味のないギャルからは、

「ハァ? 何がそんなにすごいの?」
「ってか、お経ってなに?」

 そんな声が聞こえてくるような気がする。手厳しい。ギャルはいつの時代も手厳しい。
 じゃあ、「空」の概念を含めてお経を別の何かでたとえたら、そのスゴみもわかってもらえるのではないだろうか。
 例えば、アイドル業界。そこで、『般若心経』が超スゴいお経であることをアイドルにたとえてみようと思う。

イラスト/竹内佐千子
イラスト/竹内佐千子

そもそも「お経」とはなにか

 前項で説明した通り、「お経」と今言われているものは、2500年前に釈迦という仏教の開祖が説いた言葉を弟子がまとめたものだ。
 イメージがしにくいのであれば、釈迦は今でいうインフルエンサー、つまり「すごく良いことを言うヒト」だと思ってもらってもいい。すごいヒトの講演を熱心なフォロワーがレポートにまとめたもの、それが「経」である。
 そうしたお経は、その解説本(「論」)やフォロワーに向けた規則や禁止事項をまとめたルール本(「律」)も含めて、全部で約3000タイトルに及ぶと言われている。
 そのすべてのお経のことを『一切経いっさいきょう大蔵経だいぞうきょう)』と呼ぶ。

 この『一切経』を今回は「この世に存在する全アイドルグループ」と見立ててみよう。その一切経には「八万四千はちまんしせん」と形容されるくらい、長短さまざまなお経が存在する、それは、全国に津々浦々、プロアイドルから地下アイドル、最近では地底アイドルと呼ばれる存在までいるのと同じ状況である。

 例えば、『阿弥陀経あみだきょう』とか『法華経ほけきょう』とかは、聞いたことがある人もいるのではないだろうか。それらの有名タイトルのお経はたとえるならば、PerfumeやももいろクローバーZなど有名アイドルの方々だ。集客力バツグンで、「阿弥陀経のアリーナワンマンツアー春 〜如是我聞〜」だって可能なくらい人気なのである。
 それでも、有名お経の中には、日本を飛び出たら全く有名ではないことだってある。国々の宗派によって、支持されるお経も違うのである。それもアイドルと同じだ。

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稲田ズイキ

いなだ・ずいき●僧侶。1992年京都の月仲山称名寺生まれで現・副住職。同志社大学を卒業、同大学院法学研究科を中退、その後デジタルエージェンシー企業インフォバーンに入社。2018年に独立し、寺に定住せず煩悩タップリな企画をやる「煩悩クリエイター」として活動中。コラム連載など、文筆業のかたわら、お寺ミュージカル映画祭「テ・ラ・ランド」や失恋浄化バー「失恋供養」、煩悩浄化トークイベント「煩悩ナイト」などリアルイベントを企画しています。フリースタイルな僧侶たちWeb編集長。Twitter @andymizuki
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