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中高から大学入試の数学まで影響する算数の「小4の壁」。「算数好き!」のまま学力をつけていく方法とは?

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算数を自宅で教えるときに注意すべきこと

家庭教師をしているというと、時々、「教える時、イライラしない?」「やる気のない生徒に怒ったりしないの?」と質問を受けることがあります。「家で子どもに教えると、必ず喧嘩になる」「イライラしてはいけない、怒ってはいけないと思うけれど、つい怒ってしまう」「険悪な雰囲気になって、本当に嫌。子どもの将来を考えて教えているのに全くできるようにならない」「私がついて教えているのですが、毎日30分が限界です」、そんな声を聞くこともあります。

一番に伝えたいのは、このような質問を下さるご家族さまのその愛情と努力に、私はいつも本当に頭の下がる思いで聞いている、ということです。必死に頑張っておられる、その愛情はいつか絶対に伝わります。

一方で、自分でも不思議なのですが、私自身は教えながらイライラすることがほとんどありません。私にとっては、勉強は、生徒を知るためのコミュニケーションのツールです。生徒を褒めるために一緒に勉強している、と言っても過言ではありません。教えて、理解したら褒める。取り組んだら褒める。解こうとしたら褒める。解いたら褒める。正解したら褒める。褒めると言っても、「できた!」と一緒に喜んだり、「さすが」「早いね!」「OK」「よしよし」など、普通のトーンで構いません。生徒が笑顔になればOKです。トンチンカンな答えを聞いたら、なぜそう考えるのか観察します。「さっき教えたのに、的外れな答えを言う」時には、どう考えてその答えになったかを話してもらいます。きっと、どこを修正すれば良いか見えてきます。勉強は特別なことではなく日常なので、構えなくても大丈夫です。子どもが、やる気がなさすぎて姿勢を保てなくなったら、「背骨どこいった(笑)」「問題を解くけれど、あなたは溶けなくていいよ(笑)」と一緒に笑いましょう。子どもが解けそうな問題があったら、一緒に解いて時々わざと間違えて、「あ、ママ間違えた。教えてくれる?」と説明してもらいましょう。「これは、こうだよ、やってごらん? そう、ママ上手だね」と褒めてくれることもあります。完璧に教えなくても大丈夫です。答えが合っているかどうかより、理解しているかどうかに注目しながら進めると良いです。

勉強は、その先も続きます。実は、「嫌いにならないこと」が一番の近道だったりします。これは現場の肌感覚なのですが、中高生でも、テストのない学校の生徒ほど、できるできないにかかわらず屈託なく「数学が好き」「考え方が楽しい」と答えていたのが印象的でした。算数にはどこか、「正解しないといけない」「頑張らなければいけない」「わからないことは恥ずかしい」というプレッシャーを感じやすい側面があるからかもしれません。教えることももちろん大事ですが、サポートする側の役割は、それらのプレッシャーをできるだけ低くすることなのかもしれません。そしていつか、例えば、「時々面倒なこともあるけれど、毎日、夜寝る前にはそれほど抵抗なく歯を磨く」ように、勉強も歯磨きくらいの日常になるのが一番です。今、解けないものが多くても、数週間後、数ヶ月後には、解けるようになるので安心して大丈夫です。学ぶことは、人間にもともと備わっている力でもあります。大丈夫、子どもたちには「伸びる力」がちゃんとあります。いつも応援しています。

写真はイメージです。(写真AC)
写真はイメージです。(写真AC)

 この連載は毎月第1月曜配信。次回は4/6(月)公開予定です。お楽しみに!

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植木和実

うえき・かづみ●1976年生まれ。不登校専門オンラインプロ家庭教師イエローシードラビー代表。
東京大学大学農学部卒業後、社会人生活を経て、東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程入学。同大大学院博士課程を経て(株)ライフサイエンス社入社。
ダウン症の子どもを出産後、育児を両立する方法として家庭教師の道へ。大学時代からの通算家庭教師歴は20年以上。認定心理士の資格を取得。

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