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「ペット2.0~ペットを見れば社会が見える~」
年末年始にペットを連れて帰省したときに、「ペットが車や乗り物に酔って困った」ということはありませんか?飼い主以外の方は、「動物も車酔いするの?」とびっくりするかもしれません。これからスキーやスノーボード、温泉など、まだまだ冬のお出かけは続きそう。そんなにペットにつらい思いをさせたくないですよね。

乗り物に酔ったときの症状は人とほとんど同じですが、言葉が通じない動物ならではの酔う理由もあります。どういうことか、対処法なども含めて見ていきましょう!

乗り物酔いは人もペットもつらいよ。性格や犬種も影響大!?

乗り物に酔うメカニズムは揺れによる脳の混乱

車酔いや船酔いなどの乗り物酔いのメカニズムは、人も動物も「揺れ」なのです!

私たちには平衡機能という姿勢を保つ身体のしくみがあります。耳の奥にある三半規管や前庭が傾きなどの情報を脳に伝え、坂道などでも倒れずに立ったり歩いたりできるように調節してくれているのですね。ところが揺れが続くと脳が混乱してさまざまな不調を起こしてしまいます。他にも疲れ、におい、音などが原因になることも。

犬猫の主な乗り物酔いの症状を紹介しましょう。実は人と共通している症状が大半。そう考えたらペットのつらさを想像しやすくなりますね。

・落ち着かない(周囲を見回す、うろつく)
・呼吸が荒くなる
・震える
・あくびをする
・鳴いたり吠えたりする
・鼻水が出る
・よだれが垂れる
・嘔吐する

ペットや子どもは不安で気持ち悪くなることも

車や乗り物に酔いやすい人について考えてみたいと思います。まず思い浮かぶのは小学生くらいの子どもですよね。乗り物の揺れ自体に慣れていないうえ、平衡機能も未発達なので酔いやすいのです。

さらに不安も車酔いを悪化させる原因。気持ち悪くなる経験をして乗り物に苦手意識を持ってしまうと、大人になってからも克服するのに時間がかかることもあります。筆者の体験ですが、大人になっても乗り物酔いには要注意です。車や飛行機は大丈夫なのに、20代で船酔いを経験して以来、船が苦手になって、いまだ克服できません……。

ペットの車酔いも揺れによる脳の混乱が原因ですが、実は不安も要因に!動物は乗り物がどういうものかわからず、これから起きることを説明しても理解することができません。それがいきなり箱のようなものに入れられて、ガタガタと揺れて、足元や周囲で大きい音がして……という状況に置かれるわけです。想像したら怖くなってきませんか?しかも一度でも酔った経験をしていたらなおさらですよね。

動物の性格によって酔いやすさは変わる

動物の性格によって、乗り物に酔いやすいタイプとそうでないタイプに分かれるかもしれません。イギリスのブリストル大学で犬の性格の研究が行われ、ポジティブ(楽観的)とネガティブ(悲観的)の2種に分けられることが発表されました。研究を簡単にまとめると、Aの場所に置いた食器にはフードが入っていて、Bの場所に置いた食器にはフードが入っていないということ犬に教えた後、AとBではない場所(中間)に食器を置いたときの様子をチェック。「中間だけどフードが入っているに違いない!」と喜んだ犬がポジティブ、「中間だけどフードはないに違いない……」とがっかりした犬がネガティブに分類できるというもの。なんてわかりやすい!
※参考記事(英文です)
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-1319616/Dogs-divided-optimist-pessimist.html

物事を良い方向にとらえる性格の犬は、比較的おおらかで不安やストレスへの耐性があると考えられます。乗り物の揺れを感じても不安は少なくて済むでしょう。さらに到着地が大好きな公園などであれば、乗り物が「楽しいところへ行く合図」に変わり、喜んで乗るようになるのです。

物事を悪い方向にとらえる性格の犬はその逆。たとえ楽しいところへ到着したとしても、道中のつらいことのほうが強く印象に残ることも。さらに到着地が苦手な動物病院などであれば、乗り物が「苦手なところへ行く合図」に変わります。大好きな公園へ10回行くより、動物病院へ1回行くほうが記憶に残ってしまうタイプもいるのです。

柴犬は乗り物が苦手?レトリーバーは大好き?

乗り物酔いのしやすさには犬種も影響します。いろいろな犬種の飼い主に取材してきた筆者の経験では、柴犬が特に酔いやすいように思えます。柴犬は日本古来の猟犬や番犬がルーツで、警戒心の強い慎重な性格です。それがネガティブに直結するかどうかは研究が待たれますが、その性格ゆえに乗り物に対して「楽しいところへ行けたけど、それ以上に怖かった」と記憶に残るのかもしれません。

ラブラドール・レトリーバーも猟犬がルーツですが、いろいろな人や場所で作業できるように改良されたおおらかな性格。盲導犬としても活躍していますよね。乗り物に対して「楽しいところへ行けた(道中のことはまぁいいか)」とポジティブな印象を持つ可能性もあります。

人気犬種のプードルも柴犬に比べて酔う犬は少なめ。昔からサーカスで働いていたので、曲芸をしているうちに平衡機能が鍛えられたから……なんていうこともあったりして?

お出かけ前の対策は「ごはん抜き」や「酔い止め薬」

とはいえ、酔うのは性格のせいだから仕方がない、とあきらめないでくださいね。ペットが乗り物に初めて乗る前から対策しておくのが理想ですが、酔うようになった後でも嘔吐のつらさや車内の汚れを減らすためにできることがあるのです!

(1)ペットをバッグやキャリーケースに入れる
酔いの原因になる揺れを減らす工夫をしましょう。ペットを抱っこしたり車内で自由にさせたりするより、バッグやキャリーケースに入れて座席に固定したほうが揺れは少なくなります。

(2)ペットの朝ごはんを抜く
車酔いなどで嘔吐するのはつらいことですよね。乗り物で移動する日は朝ごはんを抜いて行くのも一案です。目的地に着いたらごはんを与えましょう。

(3)動物病院に相談して酔い止め薬を処方してもらう
動物用医薬品を製造するゾエティス・ジャパン株式会社から、犬の乗り物酔いによる嘔吐を予防する「セレニア錠」が販売されています。動物病院で処方される動物用医薬品なので、犬の乗り物酔いに困ったら獣医師に相談しましょう。

他にもペットとのドライブ用シロップも登場しています。また鹿児島大学では、負担の少ない鍼治療でストレスの軽減を目指す研究が行われています。

乗り物でペットを見かけたらそっと見守って

我が家の愛犬は生後2カ月のときに車で連れ帰り、その後もキャリーバッグで乗り物に乗っています。酔ったことがなかったので安心していたのですが、あるときペット可バスの座席に座らせたら途端に車酔い!バッグに入らない状態での乗車に不安を感じたようです。

動物はシチュエーションが変わるのが苦手で、ちょっとの違いでも別物と認識します。うっかりしていた、と反省です。

電車やバスでキャリーバッグに入っているペットを見かけたとき、のぞいたりなでたりしたくなりませんか?
でも急に近づかれると動物はびっくりして吠えたり暴れたりすることも。まずは飼い主に声をかけてみて、そっと見守っていただけたらうれしく思います。飼い主もペットがつらくないように工夫しつつ、マナーを守って乗り物を利用したいですね。

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金子志緒

かねこ・しお●ライター・編集者/レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作に携わる。主な取得資格は愛玩動物飼養管理士、防災士、いけばな草月流師範。甲斐犬のジュウザに続いてサウザーを迎え、おもしろおかしく暮らしている。
ブログ:www.shimashimaoffice.work

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