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「ペット2.0~ペットを見れば社会が見える~」
今年も手元に届いた年賀状の中に、ペットがお正月の鏡餅や干支のイノシシのコスプレをして写っている写真が載っていませんか?ペットの服やかぶりものは昭和時代に登場し、平成が終わろうとしている現在となってはすっかり定着しました。いったいどのようなきっかけで生まれ、広まっていったのか気になりますよね。

コスプレしたペットを微笑ましく思う反面、「ペットに服なんて…」と思う方もいるかもしれません。しかし、ペットには服やかぶりものに慣れておいたほうがいい理由もあるのです!

平成のお正月はペットのコスプレがもはや風物詩?実はコレ、介護にも役立つんです。

ペットの服やかぶりものは日本の文化になりつつある。

ペットの服は主に犬のファッションや防寒のために1990年代頃から広まりました。当時は多様な犬の体型に合わせられる服が少なかったのですが、「愛犬にぴったりの服がほしい」という飼い主の希望を受けて、2000年代前半にはペット服の手作り本が人気になるほどに。これもペットの家族化の影響といえるでしょう。

「かぶりもの」は文字通りペットの頭にかぶせるもの。実用的な用途があるわけではなく、人のパーティーグッズに近いアイテムです。服もかぶりものも最初は散歩などで屋外に出る機会が多い犬用に作られました。猫は服などを身につけることを好まないことが多いものの、近年は抵抗感なく着られるタイプもいるようですね。

お正月やハロウィンなどのイベントの時に登場する、おめでたいコスプレ用のアイテムも今ではすっかり定番に!「ペットと一緒にイベントを楽しみたい」という飼い主に人気です。日常ではあまり服を着せない人も、晴れの日のために用意しているほど。年賀状やSNSなどでも、干支や鏡餅などの縁起物をモチーフにしたかぶりものをつけたペットを目にすることがよくありますよね。ここではその一部を見てみましょう!

「服を着せるなんて…」と思わないで。実は6つの役割があるのです。

服やかぶりものを身につけるペットは年々増えています。「かわいい」と人気を集める一方、「ペットに服を着せるなんて」と眉をひそめる方もいるかもしれません。でも、前述したようにこれにはファッション以上の役割があるのです。

(1)寒さに弱い動物の防寒のため
チワワやウィペットなどの短毛の犬は寒さに弱いため、冬は体調をくずさないようにコートが必要になることもあるほどなのです。また、長毛の犬は毛に雪がついて固まるのを防ぐために着せたほうがよいことも。多くの猫は寒がりですが、室内飼育であれば暖かい場所を見つけて上手に暖をとってくれるので大丈夫です。

(2)抜け毛を落とさないため
動物には毛が抜けて生え変わる換毛期があります。行楽地や友人宅などの外出先で、抜け毛を落とさないように服を着せることは、マナーとして好ましく思われるでしょう。

(3)外出のときにペットを守るため
ペットと外出するときには首輪やハーネス(胴輪)を使います。ところが体がやわらかい猫は、細いベルトの首輪やハーネスだと抜け出てしまいます。安全性が高いのは胴をしっかり包み込むベストのような形状のハーネス。一見おしゃれな服にも見えますが、実用的なアイテムなのです。

(4)けがや病気の治療時に体を保護するため
けがや病気の治療をしたあとそのままでは、ペットは傷口や痛みがあるところをなめてしまいます。そうした傷口の保護のためにエリザベスカラーや毛にくっつく包帯が開発されました。そして傷口が大きい場合はその上に服を着せたほうが安全なこともあるのです。

(5)汚れやすい耳を清潔に保つため
「スヌード」と呼ばれるヘアバンドのように輪になったかぶりものは、ダックスフンドやキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのような垂れ耳の犬にとって実用的!ごはんを食べるときに耳が食器に入って汚れないように、耳を覆うカバーとして使えます。

(6)排泄で迷惑をかけないため
犬が外出先などで排泄して迷惑をかけないようにと、オムツのような「マナーベルト」が登場しています。オスの場合、腹巻きをしているように見えますね。

見た目が怖そうな犬は服で「ギャップ萌え」を狙う。

 日本犬や黒っぽい犬など、怖そうに見られがちな犬にも服やかぶりものをおすすめします!一見強面&硬派な犬でも、かすり模様のちゃんちゃんこやピンクのシャツを着るだけで親しみやくなると思いませんか?ある意味「ギャップ萌え」といえるでしょう。

我が家の愛犬も黒っぽい甲斐犬なので、犬を飼っていない人はもちろん、飼っている人にも怖がられることがあります。そこで人が多いところにはあえてかわいい服を着せてお出かけ。通りすがりの子どもにも「かわいい〜!」と好評で、愛犬もファッションリーダー気取りで心なしか得意げに見えます。

我が家の愛犬。なんだかキマッている?
我が家の愛犬。なんだかキマッている?

着られなくても問題はない。イベント気分を味わえる。

服やかぶりものの用途をお伝えしてきましたが、身につけるものが苦手なペットももちろんいます。体の先端や頭部をさわられるのが苦手な犬猫もいるため、特に足を通して着せる服や、頭にのせるかぶりものは難易度が高くなります。無理に着せる必要はなく、着られなくても問題はありません。もし着せてみたいと思ったら、背中からサッとはおるだけのマントのようなタイプがおすすめです。

治療の一環で必要になることもあるエリザベスカラーには慣れておいたほうがストレスの軽減になりますが、これは短期間使用することがほとんどなので大きな問題にはならないでしょう。我が家の先代の愛犬も服が苦手で着せると固まっていましたが、首に巻くエリザベスカラーは「ちょっと変わった新しい首輪」くらいの認識ですぐに慣れてくれました。

コスプレは世話や介護にも役立つ!?

ペットに無理に服を着せるのは禁物ですが、意外なところで役立つこともあります。服やかぶりものを身につけることは、ペットの体を触ったり持ったりする練習にもなるからです。このことが日常の世話や介護にも役立つのです!足や体を拭いたりオムツをつけるのがスムーズにできれば、お互いに快適に暮らせますよね。

実は「触る」というスキンシップの習慣を持つ動物は多くありません。特に手で行う「なでる」「持つ」「触る」といったスキンシップは、人やサルなどに限られます。犬や猫は口を使ったり体を寄せ合ったりする動作が中心。人と暮らしているうちに、「しょうがにゃい」なんて人のスキンシップを受け入れてくれるもの。だから服やかぶりものが得意でも苦手でも、ストーブの前やコタツの中で一緒にお正月を迎えられるのです。

※筆者の愛犬以外の画像提供:IDOG&ICAT
https://www.idog.jp

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金子志緒

かねこ・しお●ライター・編集者/レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作に携わる。主な取得資格は愛玩動物飼養管理士、防災士、いけばな草月流師範。甲斐犬のジュウザに続いてサウザーを迎え、おもしろおかしく暮らしている。
ブログ:www.shimashimaoffice.work

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