2019.11.25
数字で一目瞭然! あなたは「お金は出すが全く口は出さない、政治家にとって都合の良いお客さん」ではないですか!?
誰もが平等に持つ「一票」の力
連載を始めるにあたり、私たちが置かれた状況をありのままに書いてみる。
いま、日本人は収入の40%以上を税金や社会保障費として支払っている。意外と多くの人が意識していないが、これはまぎれもない事実だ(※1/国民負担率)。
日本の年間予算は一般会計で約100兆円。目的ごとに設定された特別会計の約200兆円とあわせると、年間約300兆円の規模になる。その使い道を政治家が決めていく。
幸いなことに、日本は独裁国家ではない。民主主義国家だから、有権者は自分たちの代表である政治家を選挙で選ぶことができる。18歳以上で日本国籍を有していれば、性別や学歴、収入や職業的地位に関係なく、誰もが同じ力の「一票」を持っている。
つまり、無収入の人も年収1億円の人も、平社員も社長も同じ土俵。考えてみると、普通選挙はものすごい可能性を秘めている。
しかし、今の日本では驚くべき事態が進行している。それが選挙で続く低投票率だ。
2017年10月の衆議院議員総選挙の投票率は53.68%だった。2019年7月の参議院議員選挙の投票率は48.80%だった(※2/国政選挙投票率)。いずれも史上二番目の低さで、約半数の人が選挙に行っていない。日々の暮らしにより近いはずの地方選挙では、投票率がもっと低いことも珍しくない。
収入の4割以上を支払っているにも関わらず、社会を良くするための武器である一票を半数の人が捨てている。もったいない。お金は出すが、全く口は出さない。政治家にとっては、とっても都合の良いお客さんである。
もちろん、選挙権は権利だから、一票を捨てる自由もある。けれども、選挙は立候補した人の中からしか当選者が出ない。投票に行かないということは、「税金の使い道を他の誰かが選んだ政治家に全面的に任せる」と態度で示していることになる。