2025.2.27
宇宙飛行士のネクストキャリアとは? 宇宙開発の未来を切り開く知られざる活躍
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例えば、JAXAやNASAで宇宙飛行士を何億円もかけて育成するのではなく、ライセンスのような形で民間で一定の訓練を済ませている人に資格を与え、必要なタイミングで仕事として宇宙へ派遣されるようなイメージです。プロの潜水士などにイメージは近いかもしれません。
若田さんはこれまで多くの宇宙飛行を国際宇宙ステーションで経験してきました。宇宙飛行業や宇宙ステーション業を展開するAxiom Spaceにとって、実務経験が豊富な若田さんという人材を獲得できたことは大きなプラスとなります。
若田さんには、理研所属時代に、理研とJAXAの宇宙開発における連携強化のミーティングでご挨拶をさせていただいたことがあります。私が研究生活の中で7年近く運用と分析を行ってきた装置を若田さんが国際宇宙ステーションに設置した、という経緯があり少しお話しさせていただきました。その短い会話の時間でも、素敵な人柄が伺われて感動したことを覚えています。
若田さん以外にも、例えば山崎直子さんは日本の宇宙開発を支える基盤作りとして、日本での「宇宙港」の開港を推進されています。宇宙港とは、ロケットや人工衛星を発射する拠点、つまり宇宙飛行士や宇宙旅行客の離着陸を行う場所で、今後の宇宙への入り口として非常に重要です。山崎さんはこの宇宙港のプラットフォームをつくり、共通課題を解決しつつ、宇宙産業の振興を目指す一般社団法人Space Port Japanの代表理事を務めています。

小型の人工衛星を低価格で手軽に打ち上げられるようになりましたが、今後はさらに多くの装置を宇宙に持ち込む機会が増えていくことを考えると、宇宙への入り口を担う場所は必要不可欠です。
これまでは日本国内では種子島など限られた場所でのロケット打ち上げでしたが、今では複数箇所に拡大し始めています。国内だけで完結しないこの取り組みにも、宇宙飛行士としてキャリアを積んだ山崎さんの活躍が期待されています。
Podcast「佐々木亮の宇宙ばなし」でメディアパートナーを務めている、アジア最大級の宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE」で何度か山崎さんにもお会いさせていただいたことがあります。そこで語られた、日本に作られている大分県や和歌山県、北海道などの宇宙港の話には大きなロマンがありました。実際に、和歌山県の宇宙港でロケット打ち上げのテストなどが進んでいる状況を見て、ロマンだけで終わらないその実行力は素晴らしいと思いました。
他にもJAXA退職後に活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。
そしてこの流れは日本はむしろ後発で、世界では既に多くの宇宙飛行士が宇宙ビジネスの第一線で活躍されています。今後は宇宙飛行士の活躍の場やキャリアの幅も広がっていくことが期待できるため、「宇宙を切り開く存在」としての存在感がますます大きくなりそうです。
デンマークを拠点とするMikkellerの「スペースレース グルテンフリー」。宇宙飛行士たちの挑戦にフォーカスした今回の記事にぴったりだと思ったのは、宇宙飛行士を題材にしたポップなパッケージと、流行りのグルテンフリーをビールで成立させた点。グルテン含有量を一定基準以下に抑えたニューイングランドスタイルのIPAは、苦味と強いフルーティーさが特徴です。この記事をきっかけに、宇宙飛行士たちの新たなチャレンジを深掘りする際のお供にすれば、楽しさ倍増です。
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連載は今回で終了です。お読みくださりありがとうございました!
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