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満月は地震注意? 改めて注目したい大地震と月との関係

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8月20日は満月でした。ただ、これは単なる満月ではなく、「スーパームーン」と呼ばれるものです。

月は地球の周りを緩やかな楕円軌道で回っているのですが、その軌道上の、月と地球の距離が近くなるタイミングでの満月です。月から受ける潮汐力の強さは、かかる向きと距離が重要な要素になりますが、その潮汐力が最も高まっているタイミングだったわけです。

NASAのカメラがとらえた月が地球を横切る様子 画像提供/NASA
NASAのカメラがとらえた月が地球を横切る様子 画像提供/NASA

南海トラフ地震への警戒度が強まっていたタイミングでのこのスーパームーンに、実は個人的には少しヒヤヒヤしていていたのですが、ひとまず地震は起こらなかったので、安堵しました。
しかし、このようなタイミングを迎えると、私たちが地球という小さい世界で生きているだけでなく、宇宙の一部なのだと実感できます。

とはいえ、月の満ち欠けと地震の関係性は、あくまで“可能性”の示唆であることはしっかりと把握しておきたい点です。
地震の正確な発生予測は非常に困難だと言われています。今後も時間をかけて専門家が研究と議論を重ねて、より確かなデータとして打ち出す必要があります。「満月だから地震が起きる」と一側面だけで物事を捉えて、過度に不安になったり、煽ったりすることはないようにしましょう。

この記事のお供はこのお酒!

北海道阿寒郡にあるBrasserie Knotの「MOON DOUBLE IPA」。8%と比較的アルコール度数高い一杯。アロマの雰囲気をしっかり感じることができ、月を眺めながらゆっくり飲むのに最適です。パッケージのシールをめくるとまた違うデザインが登場するのも手にとってみると面白いポイント。

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 次回連載第24回は10月25日(金)公開予定です。

参考資料

Earthquake potential revealed by tidal influence on earthquake size–frequency statistics/nature geoscience Satoshi Ide, Suguru Yabe&Yoshiyuki Tanaka 2016/09/12

「スーパームーン」ってなに?/国立天文台

2024年で地球にいちばん近い満月(2024年10月)/国立天文台 ほしぞら情報2024年10月

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佐々木亮

ささき・りょう
理学博士。独立行政法人理化学研究所、NASAの研究員として研究に携わり、その経験と知見を生かし、ポッドキャスト「佐々木亮の宇宙ばなし」を毎日配信している。旬の宇宙トピックスを親しみやすく解説する内容で注目を集め、Apple Podcast日本ランキング3位を達成。第3回Japan Podcast Awardsも受賞する。現在はデータサイエンティスト、中央大学講師として活動している。
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