2020.7.25
「妻が口をきいてくれません」夫婦問題カウンセラーはどう読む? 会話のない夫婦へ真剣アドバイスも
気持ちを伝えること=文句を言う、ケンカをすることではありません。
でも気持ちを上手に伝えるには技術が必要です。
伝え方のポイントは「Iメッセージ」にすること。主語をI(私)にして「私は苦しい」「私は〜と思っている」という表現です。
これが「Youメッセージ」になると「あなたはいつもいつも……!」と文句になってしまいがち。
Youメッセージによるトラブルが続くと「自分の気持ちを言ったらケンカになってしまう」と間違ったバイアスがかかっていくわけです。
あとは「リクエスト」(お願い)することも意識してみてください。
「〜してほしいのにわかってくれない」ではなく、「(わかってくれないこと前提で)自分がこうしてもらえるとハッピーになれるからリクエストしちゃおう!」と具体的にお願いしましょう。
「ただ聞いてくれるだけで癒されるから何も言わず話を聞いて」とか「頑張ったねって言って!」というふうに、してほしいことや言ってもらいたい言葉をリクエストして、相手が行動に移してくれたら素直に喜ぶ。
そうすれば「こういうことをすれば・言えば元気になるんだ」と徐々に相手にもわかってもらえます。
こういうアドバイスをすると「無理やり言わせた(やらせた)みたいで嫌だ」とひねくれたことをいう人もいますが(笑)、そういう方には、じゃあどうするの? と聞きたい。
相手が察して自分の思い通りに動いてくれるのを待つのは非効率的です。
それよりも、上手な伝え方を習得して、自分がハッピーになることを相手がしてくれるように少しずつ“インストール”していった方が前向きだし、日々が楽しくなると思いませんか?
心のモヤモヤを些細な悩みだと片付けないで
浮気や暴力などわかりやすい問題はないものの、夫婦関係がうまくいっていないケースは、本人たちが何を不満に思っているのか、相手に何をしてほしいのか、実はよくわかっていないことが非常に多いです。
「夫がわかってくれない」と相談にきた女性に、「では旦那さんにどうしてほしいですか?」と聞くと答えられず口ごもってしまうことがよくあります。
現状に不満があることは本当なのだけれども、自分の抱えている悩みは「日常の些細なことにすぎない」と当の本人が思い込んでしまって、きちんと自分の気持ちに向き合っていないのです。
でも、些細な不満やモヤモヤをそのままにしていくと問題は大きくなる一方。これをできるだけ小さなうち解消していくことが、事を複雑化させないために重要です。
カウンセリングで相談したり、メモに書き出したり、まずは自分が何に不満なのか、何にモヤモヤしているのかを明確化するところから始めてみてください。
例えば「夜ご飯の支度中はテレビを見ていないで子どもの相手をしてほしい」とか「ゴミを出すだけでなく、ゴミ袋もセッティングしてほしい」とか、どんなことでも構いません。
何をどう改善したらいいのか、落ち着いて具体的に考えてみる。
そしてそれを、小言とか文句ではなく真剣に相手に伝える。
待っているだけでは何も変わらないし、始まりません。
自分の気持ちにも、相手にも、面倒くさがらず向き合う努力をしてみると、思わぬ未来が開けることもありますよ。