2020.7.25
「妻が口をきいてくれません」夫婦問題カウンセラーはどう読む? 会話のない夫婦へ真剣アドバイスも
一方この旦那さんは……どこから突っ込んだらいいのか、という感じですが(笑)。
妻の様子がおかしいと思いつつ、お弁当も作ってくれるし、当初はそのうちなんとかなると思っていた様子がうかがえます。でも「そのうちなんとかなる」はNGの最たるもの!
マメに気遣って、「ありがとう」とか「どうしたの?」と妻の気持ちに寄り添う姿勢を見せないといけません。
この旦那さんは全く共感の気持ちを表しませんよね。実際にこういう男性は多いです。
バスで子供がぐずって大変だったと報告された際も「それは大変だったね」とひとこと言えばよかったんです。
それを悪気はないとはいえ、否定的なことばかり言うから、妻は「一緒に向き合ってくれない」と感じてしまいます。
男性は何か妻の様子がおかしいと思うと、機嫌をとるために「旅行に行こうか」とか言い出しがち。この旦那さんもプレゼント戦法をとっていましたね。
でも妻はそういう大きなことではなくて、日々のちょっとした労いやサポートを求めているわけです。
こういうことをカウンセリングでお話しすると、男性からは「そんなことでいいの?」「そんなことが不満とは思いもしなかった」という反応が返ってくることが多いのですが、男性が「そんなこと」と思うような日頃の小さな気遣いの積み重ねが、実はとても大切です。
もしも妻口夫婦がカウンセリングに来たら…?
理想をいえば、ケンカではなく、お互いの気持ちを伝え合って知ることで夫婦関係の改善に導きたいですが、この夫婦の場合、6年も仮面夫婦状態が続いているので、なかなか難しいですね。
お互いに意地があって、振り上げた拳をおろしづらくなっている状態ではないでしょうか。
ただ、この夫婦はもっと早い段階でどうにでもなったケースだと思います。
例えば、回想場面で、妻の不機嫌な態度に動揺した夫が茶碗を洗ったり洗濯をしたり動き出したことがありましたね。
「今さら遅い」という奥さんの気持ちもわかりますが、あそこは拳をおろすチャンスでした。
好きなモンブランのケーキを買ってきてくれたときもそうです。
奥さんは「誰の入れ知恵??」と頑なな態度を崩しませんでしたが、今さらだろうが、誰かの入れ知恵だろうが、やってくれたという現実を見てあげて、素直に喜ぶべきでした。
「ちょっと嬉しかった。でももうちょっと早くやってほしかったな」と伝えるチャンスはあったわけです。
そこで何も反応しないと夫にとっては「何をやってもダメだった」と余計に混乱してしまいます。