2021.6.20
読めばあなたも“タイ沼”の住民に!タイ式エンタメライターが教えるタイBLドラマのトリビア&必見5作
4.ドラマとリンクするタイポップスの魅力
タイポップスはキャッチーなメロディーにストレートな歌詞の恋の歌でとても聞きやすいです。
そしてタイドラマでは作中で流れる曲の歌詞が主人公達の心情に密接にリンクしています。
『2gether』は、原作者がタイの国民的バンド「Scrubb」の大ファンで、その曲の歌詞にインスパイアされてストーリーが生まれたと公言しています。ドラマでは彼らの楽曲が、登場人物の切ない心境に見事にマッチし、感動を誘います。
他にも、ドラマ主題歌や挿入歌の歌詞を知ることで、登場人物の思いやストーリーのメッセージ性がより深く理解できる仕掛けになっている作品は多いので、ぜひ歌詞の日本語字幕にも着目してみてください。
例えば、『Lovely Writer』第13話のエンディング曲の歌詞は必読です!
なお、『2gether」の日本のドラマ公式サイトでは、「Scrubb」の曲の日本語歌詞をPDFで公開しており、無料でダウンロードできます。
5.要チェックの2大監督
『Lovely Writer』のテー監督は、別のBL名作『TharnType/ターン×タイプ』の監督としても知られた存在で、「だから『Lovely Writer』も面白いのだ」とファンから厚い信頼を得ています。
また、『2gether』のウィーラチット・トーンジラー監督は『2gether』の前に『Puppy Honey』を撮っており、リアルで繊細で温かみのある演出が魅力。
これからタイBL作品を観ていく上で、ぜひ覚えておいていただきたい名前です。
6.「シリーズY」(タイBLドラマ)の起源は日本にあり?
先日私はタイ人の知り合いに「Thai NUMA(タイ沼)を知っているよ」と言われ、仰天しました。
タイ人がタイBLドラマについて書いた文章をいくつか読むと、そもそも日本のやおい文化(男性同士の恋愛を描いた小説・漫画等の作品)がタイ語に翻訳されてたくさん消費され、やがてタイで“ニヤーイY(ワーイ)”=Y小説、つまりBL小説がネット上で発表されるようになったとのこと。
それが「シリーズY」(タイではBLドラマのことをこう呼ぶ)としてテレビやネット媒体で公開されるようになり、現在の流行へとつながっています。
Yとはやおい(男性同士の恋愛)・ゆり(女性同士の恋愛)のイニシャルのYです。
日本で言うところの腐女子は、タイ語では「サーオ・Y(ワーイ)」(サーオとはタイ語で女性という意味)と言います。
ちなみにタイ映画ではゆりをテーマにした映画が1本撮られているものの、ドラマはまだ。
でも日本のゆり文化も消費されているので、これからタイのドラマでも制作されるかなと個人的には予想しています。
ということで、ますますタイドラマから目が離せないのです!