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漫画家・新井英樹が感嘆!「山下素童の馬鹿正直な不器用さは俺と同じ」【新井英樹×二村ヒトシ×麻知子×山下素童座談会(前編)】

性欲や恋愛感情より、人間への興味

麻知子 山下くんはどうなの? 細かいことを思い詰めすぎて、がんじがらめになることはないの?

山下 僕はどちらかというと純粋に、人の感情の機微を追ったり、その人の発言とか行動を観察するのが好きなんだと思います。
さっき「告白して相手の意思が垣間見えた瞬間が良い」と話しましたが、まさにそんな感じ。多分そこまで他人に執着しすぎていないと思うんです。

二村 性欲とか恋愛感情よりも、人間そのものへの興味のほうが上回っているってこと?

山下 そうかもしれないですね。

二村 なるほどねぇ。いや僕は山下さんの今回の本の第2話に主要登場人物として登場するじゃないですか。
2018年に登壇させてもらった『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』の出版記念イベント、それが山下さんとの初対面だったわけですが、そのときの様子とか、その後ゴールデン街で飲んでるときの会話とか、ヤバい精度で再現されてて、こいつヤバい記憶力だなと。それは、この執着はしてなくて観察をしたい欲求が原動力になっているのか。

山下 かもしれないですね。あと第1話には、初対面で「抱いていい?」って聞いてきた女性と出会うんですけど、その時は「この人どこまで自分の発言に責任を持つんだろう」って最後まで見届けたかったんですよ。結局、彼女は抱いてくれなかったんですけど(笑)

二村 山下さんは恐ろしい人ですよ(笑)。新井さんの漫画の読者にも、僕の本の読者にもぜひ読んでもらいたい、すごい面白くて鋭い本だと思います。

※記事後編では、小説にも登場する二村さんの章を引き合いに、非モテとモテの違いや、恋愛とセックスの本質について4人が熱弁。さらに山下さんが本を出版してモテるようになった理由や、執筆後の近況についてもお届けします。9/19(火)公開予定。

【プロフィール】
■新井英樹(あらい・ひでき)
1963年生まれ。漫画家。1989年『8月の光』でアフタヌーン四季賞の四季大賞を受賞しデビュー。1993年『宮本から君へ』で第38回小学館漫画賞青年一般向け部門を受賞。『愛しのアイリーン』、『ザ・ワールド・イズ・マイン』、『SCATTER』等、作品多数。こじらせ童貞をよく描く。コミックビームで『SPUNK -スパンク!-』連載中。

■二村ヒトシ(にむら・ひとし)
1964年生まれ。AV監督・作家。『すべてはモテるためである』、『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』、『オトコのカラダはキモチいい』(金田淳子・岡田育との共著)など性愛に関する著者多数。女性が男性の乳首をなめる文化を育んだ文化人でもある。

■麻知子(まちこ)
ゴールデン街「マチュカバー」オーナー。麻知子さんの不思議な魅力により「マチュカバー」には文化人がよく足を運ぶ。ここだけの話、麻知子さんは鳩やカラスと友達になれる能力を持っている。

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山下素童

1992年生まれ。現在は無職。著書に『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』。

Twitter@sirotodotei

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