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起業の常識が変わる!「そこそこ起業 異端の経営学者が教える競争せずに気楽に生きる方法」注目エピソード3選

マイペースに地元で稼ぐ〜沖縄ミュージシャンのそこそこ起業〜

イラスト/德丸ゆう
イラスト/德丸ゆう

「BEGIN、HY、MONGOL800……異端の経営学者が読み解く、音楽と共に生きる沖縄ミュージシャンのビジネス構造」(4月18日配信)は、沖縄で独自の経済圏をつくっているインディーズバンドたちに着目しています。

他県に比べライブハウス数が多い沖縄。
ライブハウスの数が多いことは、音楽を楽しむ人口が多く、バンド活動を継続するために欠かせない「稼ぎ」を得られる場があることを意味します。

 そしてもう一つ面白いのが、ミュージシャン自身がライブハウス経営を手掛けるケースも多いことです。先述の「紫」もかつては自前のライブハウスを保有していましたし、沖縄民謡のポップアレンジで有名な喜納昌吉も国際通りでライブハウスを経営しています。人気ミュージシャンが常駐しているライブハウスであれば、ファンが常連客として通い安定した「稼ぎ」が得られます。当然、毎日ステージに上がることは体力的にも難しいですから、見込みのある後輩バンドをステージに上げていくプロデュース的な活動もしていくことになります。その中から次世代の人気ミュージシャンが生まれ、客を呼ぶという好循環が沖縄で生み出されているのです。

メジャーデビューによって、方向性を失ったり、インディーズ時代のファンを失って消えていくバンドも少なくない音楽ビジネスの世界。
しかし、沖縄には、メジャーデビュー後も沖縄に活動拠点を持ち、息の長い音楽活動を続けるミュージシャンが多くいます。

沖縄のミュージシャンが地元を大切にする理由について、高橋さんはこのように考察します。

 なぜ彼らは自前のライブハウスを経営し、メジャーデビュー後も小さなライブハウスを拠点とし、地元のフェスや大学祭のステージに上り続けるのか。それはもちろん、沖縄を拠点にして、出稼ぎ感覚で本土の音楽シーンと付き合っていくことで、メジャーの音楽ビジネスの論理に振り回されることなく、息の長いマイペースな音楽活動が可能になるからです。

 同時に、自分たちの原点である沖縄のライブハウスに戻るからこそ、県内で500を超える沖縄のライブシーンが維持され、次世代のミュージシャンとライブ客が生まれるのです。それを本能的に理解しているからこそ、沖縄のミュージシャンは沖縄に帰るのです。自分の居場所だから、そこに集まる人達を大事に守ることを起点に、自分と仲間たちが生きていくに十分な稼ぎを得られるビジネスを組み立てていく。そこそこ起業のヒントは、そういう野生の感覚に根ざしているのかもしれません。

読者からは「すごく共感した」「沖縄は地元愛が強いと思っていたけど、故郷で活動が継続できる経済的背景がわかって納得できた」といった感想が寄せられました。

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詳細はぜひ「そこそこ起業 異端の経営学者が教える競争せずに気楽に生きる方法」の連載本編でお楽しみください!

3月20日公開予定の最新回では、「マッチングアプリ」を取り上げます。

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