2020.3.21
大河ドラマがもっと楽しく⁉ 4人の“じゃない方”武将の生涯をダイジェストで紹介〜「戦国サバイバー」まとめ
織田有楽斎―逃げ足自慢の茶道オタク
まずは、織田有楽斎(織田長益)。
織田信長の弟で、後世は茶人として名を馳せた人物です。
兄の信長が自害した後、長益は二条御所へと移りました。しかし敵は大軍、御所はたちまち囲まれ、味方は次々と討ち死に。御所には火まで放たれてしまいます。
この時、長益とともに二条御所に籠っていた信長の息子・信忠は敵の猛省に耐え切れず自害。一方の長益は生き抜くことを選び、敵の目をかいくぐってまんまと逃げ延びたのです。
甥の自害を目にして、自分だけ生き延びた長益を、当時の人々は「人でなし」と酷評したそうです。でも、自分の腹を切るより、わずかなチャンスに賭けて逃げる方が人間らしいし、共感できると感じるのは私だけでしょうか。
しかも、現場は敵に包囲されて、炎にも包まれていたといいますから、そんな混乱の中で敵にも見つからず、無事に逃げ切った長益って、ある意味で切腹するよりスゴイことをやってのけたような気も……。
その後、長益は有楽斎として茶道を極め、当時としては長生きの75歳で亡くなります。もしあの時に長益が切腹していたら、今の茶道文化は違うものになっていた可能性が大きいわけですから、やはり長益の「生きよう」というとっさの決断と、逃げ足の速さは偉大だったなと思わずにはいられません。