2020.3.20
夫のDVから逃げたい主婦、浮気した夫に家を渡したくない妻、不倫はしたけど親権は欲しい母……「離婚さんいらっしゃい」厳選3エピソード
この家の表札が夫の名字なのが許せない
続いては、ローンの残る家の財産分与が思わぬ離婚の壁となったサジ子の回。
元々は母親の実家があった場所で、伯母から託された土地に、夫との共有名義で一軒家を建てたサジ子。
サジ子は結婚後に伯母の養子になりましたが、法律では夫婦同氏の原則が優先されるため、名字は夫の姓のまま変わらず、建てた家の表札にも当然のように夫の名字がかけられていました。
この家で夫と小学生の子ども2人と暮らしていたサジ子ですが、夫の不倫が発覚。
離婚を決意し、夫のみ家から出ていくことを要求しますが、「この家の名義の半分は僕だから」と拒否されてしまいます。
弁護士に相談しますが、家の権利を全てサジ子のものにする場合、残りのローンも全て払い、さらに、財産分与分の現金も夫に渡さなければならないことがわかります。不貞行為を働いたのは夫の方にもかかわらず……。
弁護士によると、1回だけの不貞行為では、慰謝料もそれほど見込めないとのこと。
自分のルーツである土地に建つ家なのに、不倫されても自分のものにならず、表札には夫の名字が掲げられたまま……。
どうしても納得できないサジ子の気持ちには共感しつつ、情の通りには進まない離婚問題の難しさや法律の仕組みについて学ぶことができるケースです。