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中村憲剛×又吉直樹スペシャル対談。「同級生全体のレベルが高いから頑張れる」 

サッカー少年のふたりが熱中して観ていた、とんねるずの生ダラでのPK対決など、同じ時代背景を持つ同級生だからこそのリラックストークで盛り上がった。(撮影/熊谷 貫)
サッカー少年のふたりが熱中して観ていた、とんねるずの生ダラでのPK対決など、同じ時代背景を持つ同級生だからこそのリラックストークで盛り上がった。(撮影/熊谷 貫)

体内から攻められる作品を作りたい !?

――2020年は、節目の40歳になります。

又吉 40歳ってイメージしたことなかったです。正直、生きているかどうかも、わからないくらいに思っていたので。

中村 太宰治みたい。

又吉 本当に太宰が死んだ38歳までは絶対に生きようと思ってたんですけど、以降のビジョンが見えてなかったんです。

中村 現役のサッカー選手としては、30歳以降、特に35歳を過ぎてからは、周りに同じ年齢の選手が少なくなるので、ずっと未体験ゾーンになっていったんです。だからここから先はもう自分の感覚でしか進めない。これまでの経験からサッカーのことはだいたい予想もできるんだけど、今回のケガだけはまったくの想定外でした。でもこれも刺激だと思っていて。復帰したときに、また違う視界がパッと開けるんじゃないかって期待しているんです。

又吉 僕は惑うし、惑いまくってもいます。

中村 でも、それって惑えるほどの選択肢があるってことにもなりますよね。今までしっかりやってきたからこそ選択肢がいっぱいある。それは幸せなことなんじゃないかって思いますけど。又吉さんが何をやるのかすごく楽しみ。

又吉 何か体内から攻められへんかなって思うんですよ。

中村 えっ、どういうこと?

又吉 例えば飲み物で自分の作品を作るとか。今までお笑いや書くもので反応してくれた人たちの体内に、自分が作った飲み物を直接入れられるとなったらすごいな、と。どんな影響を及ぼすのかなって。

中村 なるほど。又吉プロデュースのお酒とか。

又吉 でもよくよく考えたら、「俺、接客は苦手やな」と。

中村 (笑)。すごく面白そうですけどね。あと『人間』でもサッカーの話がちょっと出てきますけど、サッカー小説とか書くつもりはない?

又吉 完全なサッカー小説ってことじゃないかもしれないですけど、サッカーが重要な役割を果たすようなものを書けたらいいなとは思っています。

中村 又吉さんの小説にサッカーが書かれているとうれしいんですよね。サッカーと今なおつながっているんだなって確かめることができて、安心するっていうか。

又吉 憲剛さんはケガがあってこれからリハビリとの闘いが待っているんですよね。

中村 試合中に左膝を痛めて、前十字靱帯損傷で手術が必要になりましたけど、(リハビリも)明るい気持ちでやっていきたいです。39、40歳でこのケガから復活できれば、前例がないんじゃないかと思うので。それも自分のパワーになっています。

又吉 20年シーズンの憲剛さんも楽しみですね。

中村 お互いに不惑を楽しみましょう。

(プロフィール)
またよし・なおき●1980年6月2日生まれ、大阪府出身。「ピース」のボケ担当。北陽高校サッカー部時代には、インターハイにも出場。2003年「ピース」を結成。15年、小説『火花』で第153回芥川賞受賞。最新刊『人間』(毎日新聞出版)も好評

なかむら・けんご●1980年10月31日生まれ、東京都出身。中央大学卒業後の2003年、テスト生から川崎フロンターレに加入。Jリーグベストイレブン7回。16年にはMVPも受賞。日本代表として10年南アW杯出場。国際Aマッチ68試合出場6得点

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中村憲剛、館山昌平、大黒将志、 玉田圭司、木村昇吾、和田毅、寺内健<span class="ls-">――</span>「1980年(度)生まれ」 で「松坂世代」にあたる7名の一流アスリートたちの、特別な「哲学」 や「思考法」に迫った一冊。
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二宮寿朗

にのみや・としお●スポーツライター。1972年、愛媛県生まれ。日本大学卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社し、格闘技、ラグビー、ボクシング、サッカーなどを担当。退社後、文藝春秋「Number」の編集者を経て独立。様々な現場取材で培った観察眼と対象に迫る確かな筆致には定評がある。著書に「松田直樹を忘れない」(三栄書房)、「サッカー日本代表勝つ準備」(実業之日本社、北條聡氏との共著)、「中村俊輔 サッカー覚書」(文藝春秋、共著)など。現在、スポーツ報知にて「週刊文蹴」(毎週金曜日)、Number WEBにて「サムライブル―の原材料」(不定期)を好評連載中。

熊谷貫

くまがい・つらぬく●写真家。1968年、神奈川県出身。集英社スタジオを経て、中村昇氏に師事し独立。広末涼子「NO MAKE」、新垣結衣「まっしろ」、石原さとみ「たゆたい」、小嶋陽菜「こじはる」、三浦春馬「Letters」、浅田舞「舞」など、女優・俳優・アイドルの多数の写真集ほか、元ボクシング世界チャンピオン畑山隆則の写真集「ハタケ」など、性別やジャンルを問わず主体に迫るドキュメンタリー性の高い作風で人気を誇る。

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