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日本ハムドラフト4位、智弁和歌山・細川凌平選手と父との絆

高校入学前に書いた感謝の手紙  

凌平が智弁和歌山に入学する前に、祖父と祖母、両親に手紙を書いて家を出た。親元を離れて下宿する直前のことだ。佳介さんは言う。

「それを読んで、うれしいというのもあったけど、ずっと一緒にいたからさびしい気持ちのほうが強かったね。中学卒業してひとり暮らしなんかできるんかな、自分やったらどうやろうとかいろいろなことを考えて。凌平もさびしかったやろうけど、僕が子離れできてへんかったから(笑)、一番さびしかったんやと思う」

手紙には、活躍して恩返しするということと、「お金がかかるけど、よろしくお願いします」と書いてあった。

「いろんなものを免除してくれる特待生で誘ってくれる高校もあったけど、『おまえが行きたいところへ行け』と言いました。借金してでも行かせるからと。野球をするのにはお金がかかることは本人にも言っていたし、凌平もわかっていましたね。小さいころから、親の仕事を見ていてくれたから」

練習漬けの毎日を送る息子とはなかなか会うことができないが、連絡は頻繁に取っている。

「僕はもともと子どもが好きで、凌平が生まれたときからべったりやったんで、風呂も高校に入るまで毎日一緒に入って、その日にあったこととかいろいろなことをしゃべってくれた。いまも、何でも話してくれる。ほぼほぼ、毎日LINEしていますよ。親父と息子では珍しいんやないかな? 本人は『うっとうしいな』と思っとるかもしれんけど(笑)」

子どものころから息子に言い聞かせていることがある。

「高校に行くとか、野球をするとか、そういうことは当たり前じゃない。やりたくても野球できへん子もいるし。当たり前が当たり前じゃないことはわかってほしかった。凌平は野球がうまいと思われているかもしれんけど、野球がうまいから、足が速いからって、みんなよりえらいわけでも何でもない。中学のときにジャパンに選ばれたのも、同じレベルの選手がたくさんいるなかで、誰か凌平を推してくれる人がいたから。『おまえよりもうまい選手はなんぼでもおるぞ』と言うてました。話したり、LINEしたりすると、『感謝』という言葉がよく出てくるんで、わかってくれていると思うけど」

いくら野球がうまくても、それを鼻にかけるような人間では困る。

「自分が野球さえやっていたらみんなに許されるみたいなことは絶対ないと思うし、チーム内でも『俺はうまいから、何を言ってもいいねん』みたいなのは絶対あかんしね」

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