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「ウッドショックは希望の光」紀州の林業王が語る、国産木材への思いと林業の未来

コロナ禍に1000万円をポケットマネーで寄付

――コロナの影響といえば、昨年5月に、山長商店さん含む地域の企業3社で、田辺市に1000万円ずつ、計3000万円を寄付されたそうですね。それはどのような思いから?

はい。我々、林業も少なからずコロナの影響はありますが、直接的な打撃ではなかったので、地域の一員として少しでも支援ができればと。
田辺市は、世界遺産・熊野古道を歩きに来る方の拠点となる場所でもあり、地域経済において、飲食業や観光業が重要な役割を担っているんです。でも、そこがコロナの打撃を受けてしまった。私は商工会議所の会頭だったので、その立場からも、なんとかせねばと思いました。

――しかも、地元紙「紀伊民報」の報道によると、山長商店さんだけ、会社としての寄付ではなく、榎本会長のポケットマネーだったとか? 個人で1000万円を寄付……。太っ腹ですね!

いやいや、他の2社(株式会社カナセ、中田食品株式会社)は、しっかり経営されていて会社から出せたのですが、うちの会社は、当時まだウッドショック騒動の前だったこともあり、そういう余裕がなかったというだけのことで……(笑)。2020年2月に母が亡くなって遺産が入ったりして、個人的には少しゆとりがあったので、それを市内で商売を行う仲間たちの振興に役立ててもらえたらと思いました。
コロナが落ち着いたら観光客の皆さんにもたくさんいらしていただきたいですね。田辺には魚や柑橘、梅干しなど、美味しいものがたくさんありますよ。田辺湾で春に採れる海藻「ひとはめ」の鍋は最高です。新芽は柔らかく、褐色のひとはめをお湯に入れると鮮やかな黄緑に変わり、それをポン酢で食べるのです。空気も美味しいです!

――お話から強い地元愛を感じます。幼い頃から地元で家業を継ぐという意識は強かったのでしょうか。

必ずしもそういうわけではなかったのですが、周囲から後継ぎを期待されていることは子供の頃からわかっていました。
中学卒業後は地元を離れて東京の成蹊高校に入学し、しばらく東京で生活していた時期もあります。

――前回お話をうかがった株式会社カナセの金谷社長も高校から東京だとおっしゃっていました。紀州のエリートは高校から東京に進学するのが習わしなのでしょうか!?

どうでしょうね(笑)。でも確かにそういう人が多いですね。

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