2021.11.1
文化の日に博物館を120%楽しむ! 愛好家が語る「ミュージアムグッズ」の魅力と新たな可能性
愛好家が選ぶ、お気に入りグッズ3選
――特にお気に入りのミュージアムグッズを教えてください。
それぞれに個性が豊かで唯一無二の存在感があるのがミュージアムグッズの魅力なので、選ぶのは本当に難しいのですが……。
しいてあげるなら、ということで、3つご紹介します。
![「三菱一号館美術館」の「ペインター色鉛筆(ピエール・ボナール)」(1676円)](https://yomitai.jp/wp-content/uploads/2021/11/68b6c26b6f70968e38a280f4650bc15f-scaled-e1635409761915.jpg)
1つ目は東京都丸の内にある「三菱一号館美術館」のペインター色鉛筆。
全部で9種類の色鉛筆があり、モネやゴッホなど、それぞれの画家をイメージした色を学芸員が6色選び、筆箱に収められたという、最高なプロセスを経てできた逸品なのです。本で紹介したのは、ナビ派に分類される19世紀~20世紀のフランスの画家・ピエール・ボナールをイメージした色鉛筆。このボナールの色のセレクトは、まるで彼の描く風景が目の前に立ち現れるようです。他の画家のバージョンもぜひチェックしてみてください!
![「国立歴史民俗博物館」の「花押シール」、「印判シール」(各350円)](https://yomitai.jp/wp-content/uploads/2021/11/ecb880ddfe033f937bad81c4f1b23e11-scaled-e1635409881506.jpg)
2つ目は、千葉県佐倉市にある「国立歴史民俗博物館」の花押・印判のシール。
目移りするほどマニアックで歴史好きにはたまらないグッズが並んでいるこのショップですが、今回は花押・印判のシールをご紹介します。花押とは自分の名前の崩し字のことで、印判とは室町時代から個人印として用いられていたものです。
「国立歴史民俗博物館」の花押・印判のシールは、源頼朝や明智光秀、織田信長など有名な武将たちのものばかり。シールについてくる国立歴史民俗博物館の小島道裕教授の解説も面白いです。ひと言で歴史好きと言っても、好きになる対象は様々だと思いますが、このシールを手に取ったら、花押や印判の研究に足を踏み入れたくなる人も多いのではないでしょうか。それほど楽しいグッズです。
![「地質標本館」の「放散虫手ぬぐい」(790円)、「フィールドノート」(910円)、「フォトスケール」(290円)、「鉱物トランプ」(890円)](https://yomitai.jp/wp-content/uploads/2021/11/f61331f9cdc3714c091103d99aacbaa3-scaled-e1635410092581.jpg)
3つ目は、茨城県つくば市にある「地質標本館」のグッズです。鉱物トランプや手ぬぐいなど様々なグッズがあるのですが、各グッズの解説書や写真の下には、国立研究開発法人産業技術総合研究所の地質調査総合センター(GSJ)の番号が掲載されています。これは、地質標本館の登録標本を使ったグッズであるという証明です。
フォトスケール(標本などの画像を撮影する際の比較用スケール)は実際に研究者たちの声を反映して開発されたプロ仕様。フィールドノートも、野外での調査の際に使用することをふまえ、水に強い素材を使用しています。グッズの一つ一つに、研究成果や研究者の声から得られた知見が詰まっています。